2011年11月4日金曜日

古い考え

何かこう、いつもモヤッとしたものを感じながら会社人生を送る私。
私がモヤッと感ずるのは、私の思うところの、いわゆる「古い」考え方に接した時です。賛否あると思いながら、いくつか思うところを挙げてみますが、あくまで一般論としてお読み下さい。私の職場とは一切関係がありません(?)。

●残業するほど仕事に熱心である
もちろん、いまどきこういうことをストレートに言う人はいません。
が、あからさまにそういう価値観を強要されることはしばしばあります。そういう自分だって、他人が差し迫った仕事があっても、のうのうと早く帰っているとやや腹が立つこともあります。
しかし、一度残業して成り立ってしまった仕事は、もはや残業無しでこなすことは不可能です。
社会のため、家庭のため、個人の豊かな人生のため、残業しないほうがいいのは分かりきっているのに、誰が一番我慢できるか、を競争しているように見えます。

●徹底的なクレーム回避
これは程度問題なので一概には言えないけれど、日本人は極端に非難されることを恐れるように見えます。逆に消費者側に立った場合は、商品に何らかの不具合があれば鬼の首を取ったかのように尊大に振る舞います。
もちろん、そういう消費者の厳しい目が製品レベルを上げてきた側面はあるけれど、あまりにお客様のクレームを恐れるあまり過剰な反応をしたり、哲学も方針も示さずあたふたしている様は滑稽にさえ見えます。
お客様が大事なのは当たり前だけれど、自分たちが自信を持ってやったことは、批判されても押し通す気概は必要です。それは瞬間的な批判を引き起こしますが、長い目で見た時、会社の指向性が明確になりお客様の信頼を得ることになると思うのです。

●大切なことは秘密にしなければいけない
企業だから、技術開発や商品開発の内容は、一般には企業秘密であり、なるべく他人の目には触れないようにします。
今まではそれは私も当たり前だと思っていました。
しかしソフトウェアの世界では、オープンソースが当たり前になってきていて、多くの人がその恩恵に預かっています。世界の有名なソフトウェア企業は(日本は無さそう)、自社開発のソフトウェアをオープンソースにしたり、またそういうコミュニティに寄付したりして、持ちつ持たれつの関係を作ろうとしています。
外の技術を取り入れたり、また公開しようとすることによって、自分自身の力が試されます。
人と交わらず、自分の中に抱えて何かをやっていれば、どんどん時代遅れになります。
ソフトウェアと工業製品とは、技術に関する性格が異なるのです。しかし、依然として多くのメーカーは自社のソフトウェアを秘密にしたがります。大した技術でもないのに。

●合理的、効率的、という言葉が嫌い
もちろんとことん合理的であるべきとか、効率を追求すべきとか言うわけではありません。
しかし、もうちょっと頭使えば、全然仕事は楽になるはずなのに、時間をかけてわざわざ同じことを繰り返すほうが仕事をしっかりやっていると印象を持たれてしまう。
それは、担当者だけでなく管理する側にもコスト意識が足りないのでしょう。同じ仕事を早く済ませるほうが生産性が高いに決まっているのに、エクセルのマクロとか使うだけで小賢しい感じがして疎まれたりとか、そういう雰囲気が往々にして起こります。
「昔は、一つ一つしっかり○○したものだー」などと昔話などされた日には最悪です。
だから、日本のホワイトカラーは生産性が低いとか言われるわけです。

●整理整頓、服装、態度、などなどの見た目の問題
まあ、見た目は良い方がいいし、会社で働くならルーズな格好とか、茶髪とか、そういうのを気にする人もいるでしょう。
しかし学校じゃないんだから、そんなこといちいち注意しなくても良いのに、とか思います。
極端に言えば、仕事が出来ればいいのです。きちんとした身なりの人が必要なのではなく、仕事が出来る人が必要なのです。

●交通安全とか・・・
まあ、交通事故は無いほうがいいですが、そういうのって会社でやることかなぁ。

●何しろITを使いこなすのがダメダメ
ITって技術とか知識じゃ無い気がするのです。ある種の生活態度のようなもの。
直接会うか、メールで済ませるかは、実利で考えればいいのに、まだ大切なことは直接、とか思う人は多いでしょう。
一文一文、強調のために色が違っている文章とか(超読みづらいし、ダサい)、更新されないHPやもう存在しない部署のHPが散乱していたりとか・・・これは十分罪なんですが。
こういう情報開示の仕組みが、おまけの業務だと考えている人がまだ多いのでしょう。こういうところにどれだけ力を入れているかが、これからの組織力の差になると私は思うのですが。


2 件のコメント:

  1. 私が社会人になったばかりで研修を受けていたとき、当時の研究部門の偉い方によるレクチャーがありました。
    そのときの話題で、技術分野の秘密には2種類があって、ひとつは高度なオリジナル技術で他社に知られたら困るもの。
    もうひとつは、あまりにレベルが低くて、逆に他社に知られてしまっては拙いもの。
    で、現実には後者のほうが意外と多かったりするんだなぁ、という内容が印象的でした。

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  2. 多分、どこも似たようなものなんでしょうね。
    これからは優れたものは、個人に帰属し、それをオープンにすることによって、その個人が賞賛されるようになるのではないかと考えています。
    でも、会社としては困りますけれど・・・

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