2011年4月26日火曜日

世界がプログラムで埋め尽くされる日

プログラムを書くことを仕事にしている私にとって、ますます世の中はプログラムを必要としていて、今私たちが多大な労力をかけている仕事や行動の数々が、コンピュータプログラムで解決できてしまうのでは、という感覚を抱いています。
これは、コンピュータ嫌いの人にとって、むしろ気味悪い世の中に思えるかもしれません。しかし、私たちはすでに多くの恩恵をコンピュータ社会から受けています。世の中の全ての電子機器はプログラムが無ければうんともすんとも言わない。一度、その方向に足を踏み出した以上、その利便性と効率性の追求は、個人がどう思おうとも社会の意志として進んでいくしかないでしょう。

プログラムで解決できることって何、といわれてまず考えられるのがお金の話。
すでにキャッシュカード、電子マネーなどによって、現金が無くても買い物が出来る世の中ですが、それでも多くの商行為はまだ現金で行われています。
しかし、本格的にキャッシュレスになっていけば、商行為は完全にデータ化されます。お店にとって全ての取引がコンピュータの中でデータ化されていれば、帳簿などをいちいち作らなくてもプログラムで自動的に作成可能でしょう。もちろん、そのためには取引の種類などがきちんと定義されている必要があります。
モノを売るお店なら商品にバーコードが付けられています。バーコードを読み取れば、それがどんな商品で、お店がいついくらで入荷したものか、今売られている値段はいくらか、などの情報を呼び出すことも可能です。バーコードから電子タグのような形に変わっていけば、さらに会計はスマートになっていくことでしょう。

オフィスの事務仕事も同様。
仕事でやっている定型的な行為は電子化できる可能性があります。何か高額な取引を行うとき、決裁をする必要がありますが、これも電子決裁にすれば書類はいらなくなるし、データもコンピュータ内に蓄積されていくので、後で決裁全体を分析するときもプログラムで行うことが出来ます。
会社の出勤、退勤などもICカードを利用すればタイムカードなど使わなくても良くなるし、個々人が残業の記録を書く必要だって無いはず。
何しろ、紙で書いている記録は、原理的には全て電子化可能なのです。現在では、すでに多くの仕事が電子化されていると思いますが、それらのデータを集計したりすることをプログラムで解決するまでには至っていないのではないでしょうか。

政府の仕事もかなり多くが電子化可能です。
電子政府などという表現もありますが、現実は相当遅れているものと思います。少なくとも、確定申告とか年金とか各種の分配金、あるいは定期的な税の徴収などもほとんどプログラムで解決できる仕事です。人手を使えばむしろ時間がかかるし間違いも起こる。こういったことを徹底的に進めていけば、今の公務員の半分くらいはいらなくなるかもしれません。それは本来、政府や地方自治体の財政にとって嬉しいはずです。
法律の施行も、プログラムを書けばすぐに行えるかもしれません。もし国民のデータが全部政府内にあれば、例えば何らかの給付金があったとき、該当者が窓口に来ないともらえない、のではなく、全部プログラムで該当者を調べて勝手に給付してしまえばよいのです。

もちろん、上記のいろいろな話には突っ込みどころが満載です。
セキュリティ・プライバシーの問題や、プログラムの不具合の問題もあるでしょう。
しかしそれを解決するために、きちんとプログラムを書く人の育成を行い、セキュリティ対策の技術などにお金を使えば決して解決できない問題ではありません。
公的なものより、市場性のある世界のほうがこのようなIT化は進展します。今は、iPhoneなどをはじめとしたスマートフォンが、私には一気に世の中のIT化を進める原動力になるのではないかと考えています。

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