2011年4月6日水曜日

組織はどのように解体するか

個人と組織」で、日本的な組織が瓦解を始める、と物騒なことを書いてみました。
どうせなら、もっと妄想を膨らませて、空想で組織をどんどん壊してみましょう。

実際どのような組織が最も解体されやすいでしょうか。
個性的な個人が活躍することが期待されるわけですから、その手の仕事がまず解体されます。端的に言えば創造力が必要な業務です。古くから、芸術の世界は個人が活躍するのが当たり前でしたが、それと同じようなことが、様々な業界で起きるということです。
芸術に近いものとして、デザイン系が挙げられます。服飾系はもちろん、家具、食器、家電、車、などのデザインを企業内で行うのでなく、有名なデザイナーに頼むことはすでに行われていると思いますが、そういうことがさらに加速するでしょう。

デザインもモノだけではありません。Webデザインとか、ユーザーエクスペリエンスとか、IT化がより進めばそういう部分もどんどん膨れあがります。あとキャッチコピーなどの文章系。広告などはすでに広告代理店が多くを手がけていますが、そういう会社もアーティストの集まりのような集団ですね。

また、デザインは結局、もののあり方自体を問い直すことに繋がり、商品企画そのものがアウトソースされる可能性もあります。商品企画だけを行う個人ベースの集団が有名になれば、そういうところに注文をする企業も増えるかもしれません。

具体的に、私が勤めているメーカーに当てはめて考えてみるとどうなるでしょうか。ちょっと生々しい感じもしますが、思ったことを書いちゃいましょう。
製造業には、会社として必要な人事などのスタッフ系はもちろん、営業、生産、開発などの部門が通常あります。いずれの部門でも定型的な業務と、創造的な業務がありますが、創造的な比率は恐らく開発が最も大きいでしょう。
何かしらのきっかけで、商品開発がアウトソースされ、それが双方にとってメリットのある結果となると、会社全体はそちらのほうに流れていきます。このようなことが常態化していくと、メーカーは自ら開発部隊を持たなくなり、営業と生産という小さな会社では持てないものを持っていることをメリットにしていきます。

しかし、それはいつかコンピュータ業界が経験したことと同じことが、いろいろな業態に起こることを意味します。結局、コンピュータの世界を支配したのは、工場を持っているメーカーではなく、基本ソフトウェアを開発したマイクロソフトだったり、それを動かす基盤であるCPUメーカーのインテルでした。
つまり頭脳に特化した企業が最終的に、業界を支配するようになるのです。最近ならアップルの例だと、彼らは自前で工場を持ちません。またCPUの回路を設計しているアーム(ARM)社は、自前でCPUを作らず設計図だけを売って商売しています。

企業の中でも創造的な部分を担う業務がまずアウトソースされていく、というのが私の推理。
しかし、それはコンピュータ業界が経験したように、大企業は市場をコントロールする力を失い、言われたとおりの設計でモノを作るだけの存在に落ちかねません。そうなると、より安く作れる新興国のメーカーに仕事を取られていきます。そうやって、メーカーは瓦解していくでしょう。

あれ、なんだか暗い話みたいになっちゃった。だったら、創造的な仕事で自立できるようになりたい、と話を進めていかなければならないのですが・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿