2011年1月17日月曜日

Web上のレコメンドシステムが必要では?

タイトルだけで何を言いたいか、ちょっと分かりづらいかもしれません。
音楽活動をしている者として、音楽ビジネスにも興味を持ったりするわけですが、率直に言って音楽業界は一寸先は闇というくらい崩壊しかかっているように見えます。
それはひとえにここ10年のWebの発達と関係するわけですが、そのまま崩壊して世の中に音楽が無くなるなんてことは当然あり得ません。音楽が無くならないのなら、今のビジネス構造とは違う全く新しい流通システムが生まれるのではないかと思うのです。

全く同じことが出版にも言えます。
すでに多くの人が、ここ10年の間に音楽業界で起きたことが、これから出版業界で起こると予想しています。これもやはりWebの発達、特にiPadといった携帯デバイスの出現によるところが大きいのは周知の通り。
一言でいってしまえば、これらは、コンテンツがデジタルで流通することが容易になったため、音楽や書籍といったコンテンツが物理メディアである必要がなくなり、物理メディアを売るためのシステムが意味を成さなくなってきたという現象です。

ここから私の勝手な未来予測が始まります。
デジタル化されたコンテンツが直接ユーザーに届けられるのなら、中間にいた人たちはいらなくなります。音楽で言えば、レコード会社でありCDショップです。書籍で言えば、出版社であり本屋です。
ところが、レコード会社や出版社は、単に物理メディアを製造していただけではありません。彼らは意欲と能力のある新人を発掘し、育成して、お金をかけて宣伝し、活躍の場を広げてあげていたのです。その中にはアーティスト並みの芸術観を持った人たちもいたでしょうし、会社の活動自体が社会の文化活動を支えていたという側面が当然ありました。
しかし、そのような投資はそれなりに見返りがあったからこそ出来たことです。見返りが無くなれば、投資はしなくなります。今は完全にそのような負のスパイラルが起こっているように見えます。

従って、このような現状においては、一時的に音楽や文学において文化レベルが下がると思われます。
しかし、どのような時代でも音楽活動をする人はいるし、小説を書く人たちは存在します。世の中に知られようが知られまいが、質の高い活動をしている人は必ずいます。
つまり、これから考えねばならないことは、これまでレコード会社や出版社が行っていた、新人発掘や彼らをプロモートするような新しい仕組みです。これが揃わないと、あまねく多くの人に良いコンテンツが行き渡りません。

と、ここでようやくタイトルの「レコメンドシステム」に到着します。
今まで私たちは、テレビを見たり、雑誌を読んだり、CD屋で宣伝したりするのを見て、アーティストの存在を知りました。人の評判や自分の印象を元に、特定のアーティストを好きになったりしました。
そういうことが、全てWeb上で解決できればいいわけです。
例えば、そこでは人々のアーティストに対する評価を一覧出来て、場合によってはコンテンツをある程度鑑賞できて、気に入ればコンテンツを購入するか、アーティストに直接投資するか、といったことができます。
評価する人も評価されるような仕組みが備わっていて、評価の高い評価者はより目の付くところで評論が書けるようになります。さらに、その人の評価は読まれるようになり、この人の言うことなら間違いはない、といった感覚を見る人が持てるようになります。
このようなページにPVが増えてくれば、広告収入が発生します。そうすればビジネスとしても回り始めることは可能ではないでしょうか。
このようなシステムが可能なのか、また次回あたりに検討してみましょう。

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