2010年7月19日月曜日

インセプション

「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督、ディカプリオ、渡辺謙が出演する「夢」を題材にした映画。久し振りに時間を作って何を観ようか迷った末に選んだ映画がコレ。
しかし、なかなか面白かったです。「ダークナイト」では正義と悪の微妙な境界線を描いたこの監督、今回は夢と現実の微妙な境界線に挑戦。
「うつつは夢、夢こそまこと」という江戸川乱歩の言葉を地でいくようなストーリー、"A Dream within a dream"なんてポーの詩の題名と同じ台詞も何度も出てきて(この詩に曲を付けています)、個人的にはこういった題材、とても共感します。

しかし、この映画を観ていない人にどう紹介するかは大変難しい。そもそも、映画の設定が大変複雑で、見終わっても?がいっぱい。やや強引にストーリーを進め過ぎて、難解な映画になっているのです。それでも敢えていうと、人の夢の中に共同で入り込み、人の意識から何かを盗んだり植え付けたりする仕事をしている主人公とその仲間たちが、ある依頼でチームを組んで目的を達成するまでを描いています。
夢の中に共同で入るっていうのが、またまた「マトリックス」っぽくて、面白い。みんなで同じ部屋で何か電極を付けて一緒に寝るわけです。こうすると、共同で別の世界に旅立てます。

そして、このストーリーに主人公のコブの個人的な恋愛の話が執拗に割り込みます。
この夢の世界にすっかり魅了され、二人だけの世界から離れられなくなったコブの奥さんは、現実の世界に戻ることを拒むのです。目的を達成するための派手なドンパチと、コブの退廃的な恋愛ストーリーが複雑に絡み合い、二人の過去が少しずつ暴かれます。ストーリーは最後の最後で、夢か現実かわざと曖昧にされていきます。

もう一つ、この映画の面白い点は、その映像芸術にあります。夢なら何でもあり、という幻想世界を描くには、それ相応のセンスが必要。序盤での日常に街に起きるあり得ない出来事はとてもシュールだし、主人公が設計したという夢の世界もとても幻想的。シュールレアリスム的芸術世界を堪能できるというのもこの映画の魅力でしょう。関係ないけど夢の中に迷路を作る女子大生の名が「アリアドネ」なんだよね〜。

しかし、見終わってもなお意味の分からないことがたくさんあります。
そもそも、チームを襲ってきた人たちは一体なんだったのかが良く分かりません。敵方も同じ夢に侵入してきたかと思えばそうでもなさそうだし・・・。それから、虚無に落ちる、とは何を言っているのでしょうか。意味分かりません。取りあえず爆弾を多用するのは、夢を一段階覚醒させるためだというのは何となく理解できましたけど。

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