2010年7月10日土曜日

2010参院選で思うこと

日本の政治は三流とか、質が低いとか言われます。国民の多くが、投票したいと思うような良い政治家がいないと思っているのではないでしょうか。
しかし、私は政治の質は国民の質だと思うのです。それは言うまでもなく、政治家は我々が選挙で選んでいるからです。質が低くて選びようがないから仕方がない、という意見もあるでしょうが、本当にそうでしょうか。今立候補している人から選んでも、もっと政治の質が高くなる選択肢はあるのではないでしょうか。

具体的に思うこと。
選挙前に雨後の竹の子のように出現した少数政党のマスコミの扱いです。選挙前はマスコミは公平になるように、各党に平等に発言権を与えます。ところが、国会議員の数が全然違う政党を公平に扱うために、国会勢力以上に少数政党の意見が国民に届いてしまいます。
一見これは悪くないように見えます。しかし、私の思うに少数政党は政権を自力で取る覚悟が基本的にないため、あり得ないような美辞麗句を並び立てるのが常套です。少数政党が最も輝くのは選挙の時だけ。ワンイシューで理念は立派です。その政策に現実性が無くても、選挙で党勢を拡大するのが目的なので、彼らはそれで良いのです。選挙が終われば、国会で目立たず、ただ反対を唱えるだけの存在です。
巨大政党は議員が多いだけに意見をまとめるのが難しく、また政権を取る可能性があれば、めちゃくちゃなことを言うわけにもいきません。
それをもって、意見がぶれるとか、理念がない、というのはいささか可哀想にも思えます(もちろん、これは大政党の改善すべきことです)。
いずれにしても、よほど自分の政治信条と重なるということがなければ、このような少数政党に投票するのは死票になるだけだと私は思います。

もう一つは、選挙は人物本位で選ぶべきか、ということ。
そもそも、政治家として良い人物ってどういう人物なんでしょう? 声がでかい人? 演説が上手い人? 自転車で走り回る庶民派な人? 熱血漢で何事にも熱い人? 力強く握手してくれる人? でも問題なのはこういった人たちが国会に行って、どんな仕事をしたかということ。ところが実際には、党議拘束にしばられて、党の方針に従っていることがほとんどじゃないでしょうか。
選挙はもちろん本質的には人物を選ぶことにあるけれど、現実的な選択としては、現状では党に票に入れるという考え方の方が正しいと感じます。

誰もが国家財政が危ないと思っているのに、多くの政党が消費税を上げなくても出来ることはある、といわれると何となくそう思えてしまいます。でも、その「出来ること」って官僚や政治家のコスト削減だけでは間に合わなくて、公務員のリストラとか、公共事業の削除とか、結局自分たちに跳ね返ってくることだったりするわけです。
世論調査を見る限り、ますます日本人が危険な選択をしそうで不安になる今日この頃。

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