2010年2月17日水曜日

いつか電子楽譜で演奏する日

Appleから噂のiPadが出てきて、音楽する人から見れば、電子楽譜がようやく現実のものになるかと期待されています。
液晶モニターが出てきた頃から、譜面立ての上に液晶モニターを付けたらどうか、といったアイデアはその筋ではずいぶん語られていた話です。楽器フェアでは、液晶モニター付きの譜面立てを実際に生産して売っているメーカーも見ることが出来ます。

しかし、いかんせん、まだまだ紙の楽譜の方が便利でした。
実際の演奏の場では、なにせ重くないし、書き込みも簡単に出来ます。オケのミニチュアスコアなんかも、小さくて便利。合唱の場合、手に持って歌いますから、紙の重さとほとんど同じでなければやってられないでしょう。紙なら落としても壊れることはありません。

そういう意味では、iPadが出たからといって早急に電子楽譜が流行るとは思えませんが、観賞用あるいは教育用ならちょっとあり得るかもって気がしてきました。
例えば、音楽を聴きながら電子楽譜を見ると、今演奏される箇所が示されていたりとか、さらに演奏の映像と一緒に見れば、運指やテクニックなどの参考になるかもしれません。
学習用の教材としても、曲中に現れる楽器の紹介や、主題の提示、展開などを字幕で解説しながら鑑賞できるアプリが考えられますし、生演奏で無くても電子音源などを用いれば、特定のパートの音だけ聴いたり、楽譜のピッチや調やテンポを変えたり、違う楽器に差し替えたりといったことも可能です。
クラシックの名曲の解説なんかは、もはや本よりも、電子媒体上のアプリのほうが効果的なんじゃないでしょうか。

それでも、演奏の現場はやはり紙なんでしょうか?
電子になる可能性の一つは電子インク。省電力で軽量、しかも折り曲げ可能になってくれば、演奏の現場でも使えるのではないかと思います。そうなれば、手を使わなくても譜めくりできたり、大曲でも分厚い楽譜を持たなくて良い、という電子ならではのメリットも生きてきます。
でも、最近は別の可能性もあり得る気がしてきました。
それは3D用メガネのような電子メガネ。指揮者も見ながら、背景に楽譜も浮かんで見えるようになれば、楽譜を見る度に視線を落とす必要もなくなります。演奏者がみんな電子メガネをしている様子はやや異様ですけど、楽譜から解放されることで演出にも新しい展開があり得るような気もしてきます。

そもそもウェアラブルみたいな世界になれば、お客自体がホールに来なくても演奏会を楽しめてしまう・・・というオチもあるのですが。

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