2010年2月11日木曜日

6.オクターブ

さて、この辺りから音の深遠な世界に踏み込んでいきます。
私たちが音楽でピッチとか音程とか言っているものと、周波数の関係を考えてみましょう。
最も基本的な音程関係とはオクターブです。
オクターブとは何か、と言ったとき、皆さんはどう答えるでしょうか。
音楽的に言うと、ピッチは違うけれど音楽的に全く同じ役割を持っているとか、音程が上がっていくと周期的に「同じ」としか言いようのない音が現れるとか、そんな感じでしょうか。
それにしても、だんだん音程が上がっていくのに、どうしてまた役割が同じと感じる音が現れるのでしょう。

これを前回説明した周波数の世界で表現するとこうなります。
二つの音程がオクターブの関係にあるとき、周波数は二倍になっているのです。つまり、周波数が二倍になると人間には何か似たような音程と感じるようになっているようです。それがなぜかは現状ではわかりません。

では2オクターブ上の音では周波数は何倍になるでしょう?
これは考えればわかります。三倍とか言っちゃダメです。四倍です。
仮に最初の音の周波数を100[Hz]としましょう。これの1オクターブ上の音は、200[Hz]になります。さらにこれの1オクターブ上は、200の二倍、すなわち400[Hz]となります。
そのように計算していくと、オクターブの周波数は倍々に増えていくことがわかります。倍々というのは、アッという間にとても大きな数字になるのが特徴。倍々の論理で人をだますマルチ商法っていうのもありましたっけ。
例えば、440[Hz]が中央のAの音ですので、これを倍々にしてみましょう。6回倍々しただけで28[kHz]になってしまいました。これはもう人間が聞くことが出来ないほど高い音です。


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