2010年2月27日土曜日

10.ハモる音程から音階へ

前回書いたように、主音に対して親和性がある音をオクターブ操作して1オクターブ内にまとめたものが音階です。


例えば、もう一度ミの場合を見てみましょう。
主音ドの5倍の音は2オクターブ上のミでした。これを1オクターブ内の音階に入れるために2オクターブ下げると、周波数は1/4になるので、ドに対して5/4倍の周波数になります。これを別の言い方で言うと、ドとミの周波数比は4:5である、とも表現できます。このように比較的小さな周波数の整数比で表現できる音程はハモる音程だと言うことができます。この周波数比の数値がシンプルな小さな数字でなくなるに従って音はハモらなくなっていくわけです。

このように主音と良くハモる音を調べていくと、そこからオクターブ、完全五度、完全四度、長三度といった音程が生まれていきます。
ここで、完全五度の音(ソ)からさらに長三度(シ)、完全五度(レ)を取り、また完全四度の音(ファ)からさらに長三度(ラ)を取ると、「ドレミファソラシ」のダイアトニックスケールの音が勢揃いします。こうやっておなじみの音階が作られるわけです。ここで、一度1オクターブ内にまとめられた各音階の周波数の関係を図に示しておきます。


なお、上記のような考え方で作られた音階を純正律と呼びます。シンプルな和音であれば、純正律は非常に美しい和音を得ることが出来ます。
鍵盤楽器は弾き方でピッチが変わるというようなことはありませんが、その他の楽器は比較的柔軟にピッチを制御することが可能です。このように演奏中にピッチを制御できる楽器については、純正な音程、すなわちハモる音程で音楽を奏でたほうが良いことは言うまでもありません。

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