2007年5月4日金曜日

ラブソングができるまで

はっきり言って、恋愛コメディ系映画なんですが、意外と良く出来ていて面白かったです。
ストーリーは、80年代の元スターのアレックスが、偶然出会った作家クズレの女性とタッグを組み、ヒット曲を作ろうと頑張っていきつつ、二人はだんだん惹かれ合い・・・、といった内容。

最初に、アレックスが80年代にやっていた「POP」というバンドのプロモーションビデオだけでかなり受けてしまいます。流行り始めのデジタルシンセの音、シンセドラムの音などサウンドも80年代風、ビデオもバンドメンバーが歌いながら寒い小芝居をしていて、そういえば20年前のプロモってこんな感じだったなあ、と思わず苦笑。
それに、細かい描写も微妙にリアリティがあって笑えます。アレックスは今や、高校の同窓会でのパーティや、遊園地などのショーで日銭を稼ぐ毎日。往年のファンも、もはやいいオバさんなのだけど、当時を思い出してノリまくっている様子はかなり笑えます。日本でいえば、ディナーショーみたいなもんでしょうか。

そんなとき、アレックスに売れっ子歌手のコーラから作曲の依頼が来ます。
このコーラって歌手がまた面白い。日本で言えば倖田來未みたいなセクシーアイドルなんだけど、仏教をモチーフにしているんです。礼をするときは必ず手を合わせ、歌詞の中には仏教用語が散りばめられている。セクシーなダンスにも仏教的なエキゾシズムが組み合わさっています。コンサートの最初には、巨大な大仏から現れるというパフォーマンス・・・

さてさて、内容的にもなかなか考えさせるところがありますね。
あくまでいい曲を、いい詩を作ろうとする努力と、曲作りも売れ線狙いでビジネスとして割り切ろうとする考えが、曲を作ろうとする二人の間での葛藤になってきます。もちろん、最後は信念を通して、いい曲を作ろうとした想いが売れっ子歌手コーラまで届くのだけど、創作する者の共通した想いというか悩みというか、そういうのが表現されていたように思いました。

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