2006年11月1日水曜日

複雑化と単純化

私はマイコンのプログラムを書くのを生業としています。
コンピュータのプログラムにも、良く書けたプログラムとそうでないものがあります。私の見るところ、下手なプログラマというのは、コードをどんどん複雑に書いていく傾向があるように思います。結果的に複雑になったコードを制御しきれずバグの山に悩まされることになります。逆に、非常に良く書けたプログラムというのは、シンプルで単純化されています。プログラムで処理したい内容の本質を捉え、全体構成と細部のバランスが良く取れているのです。
なぜ下手なプログラマのコードが複雑になるかというと、一言でいうなら視野が狭いからではないかと感じます。いま書いている周辺の部分しか目に入らず、その範囲だけで最善であるように書いてしまうのですが、それが全体から見るとひどくバランスが悪くなったりしているのです。

ちょっと観念的でわかりにくいかもしれませんが、同じような話は何にでも通じるような気がするのです。
人々は「スゴイもの」を複雑なものだと捉えがちです。「スゴイもの」→「スゴ過ぎて自分にはよく分からない」→「分からないと何だかスゴく感じる」というような心理的なスパイラルがあるように思うのは私だけでしょうか。
それを逆手に取り、複雑であることがスゴイという思考でものごとを考える人も多いと感じます。
しかし、それは悪しきプログラムと同様、全体と部分の調和が崩れたヘンテコなものを作り出してしまう危険性があると思うのです。

音楽作りも然り。
局部的な部分にだけにどうしても着目してしまい、部分部分を最適化しようとすると、全体の調和が取れない、不恰好なものを作ることになります。
まずは全体を捉え、最も芯になるのは何か、それを明確にすること。その上で芯を通すために、場合によってはひどく単純化して、すっきりさせること。そういった音楽作りこそ、万人に好まれる本当に芸術性の高いモノになるのだと思います。

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