2005年10月6日木曜日

複素数の逆襲

仕事の関係で今更ながら信号処理の勉強をやっています。
大学時代のおぼろげな記憶のかなたから、フーリエ変換やらZ変換やらを呼び起こすというか、正直言って初めて理解するというか、そんな状態なわけですが、実は結構楽しんでいます。恐らく、それは現実に音を扱うことを仕事にしたり趣味にしたりした関係なのでしょう。そういった理論が現実世界とどう結びついているのか、今になってとても実感するのです。

そんな中で、全ての基礎となるのが、この複素数というヤツ。高校のときにみんな習ったはず。
二乗したら負の数になるという虚数なんてのが現われて、この実数と虚数の組み合わせの複素数で数字を現すわけです。だいたい、この虚数というヤツは何なんだ、と高校の頃の私はどう思ったか定かではないけど(受験のためだ、なんて冷めてたかもしれない)、だいたいほとんどの人が拒否反応を示すのではないでしょうか。

しかし、この複素数は我々を取り巻く様々な技術の中で応用されています。
デジタル信号処理も複素数が一番最初の入り口。これがないことには何も始まらない。
数学に明るくない私のような者が言うのもなんですが、複素数っていうのは、いわば「見えない次元」なのかな、と思います。音は単なる空気の振動だから、一次元のデータなのに、これを複素数を使って二次元化すると、いろいろな解析が出来るようになるのです。もちろん、その解析にはオイラーの公式という驚くべき式の威力のおかげもあるのですが……
相対性理論でも、不変と思われた時間を三次元に加えて、四次元的に考えることでうまく説明がつくのと似ています。自分たちの位置とは異なる別の次元に昇ることによって、見えなかったことが見えるようになる、というのは普遍の真理なのかも。

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