2007年7月2日月曜日

300 / ボルベール

今週末、二本の映画を観たのですが、両方ともなかなか面白かったので、一緒に紹介。
しかもこの二本、全くの正反対の映画。「300」は、ひたすら戦闘シーンのマッチョな男性誌的映画。「ボルベール」は男と女、そして母と娘の愛憎劇といった女性誌的映画。

「300(スリーハンドレッド)」は紀元前500年ころの、スパルタ対ペルシアの戦争を描いたもの。しかし、いわゆる歴史映画とは趣が異なっています。例えば、もはや劇画チックとも言えるくらい典型的な正義と悪との対比とか、血しぶきが飛び、手や足や首がスパスパ飛んで行く、グロさ一歩手前の殺戮シーン(ちなみにR-15)、あり得ない怪物や奇形人間なども登場といった具合。史実を元にした男性視点のファンタジーといった感じです。
そういう意味では、全く内容に深みはないのですが、逆にそこまで開き直った勧善懲悪が心地よくて、不謹慎ながら敵をバッタバッタと切り殺していく様は爽快感さえ感じました。それを強調するような映像美もなかなかのものです(非常に二次元的な、不思議な映像でした・・・何らかのエフェクトを使っているのでしょう)。

続いて「ボルベール」。出てくる人物はことごとく女。主人公と、その娘と、その姉と、その母と、その叔母と、叔母の隣人だけで成り立っている狭い人間関係。そして、その影には横暴で女を不幸にさせる男の影が・・・。
酔って娘を犯そうとした主人公の夫が逆に娘に刺されて殺されてしまう、というショッキングな事件からストーリーは急激に回り始め、最後には想像もしなかったような過去の事実が明らかに・・・。韓国ドラマ的とも言うべき、ベタなストーリーであることは否めないけど、何しろ登場人物一人一人の生き様がリアルで力強いというのがスペイン的なのでしょう。特に主人公を演ずるペネロペ・クルスの演技の熱さ(ついでに豊満さ)が、何しろこの映画の見どころ。中盤でレストランでのボルベールの歌を歌うシーンは思わず泣けてきます。

つまり、典型的ではあっても、描きたいところに集中して、しっかり作っていけば面白い映画になるのだなあ、と納得。

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