2006年2月1日水曜日

日本語を歌う

ハーモニーのタダタケ氏の連載は、結構その視点が自分にフィットして、共感を感じています。
やっぱり言葉をどう発するか、ということにすごく気を使うのですね。全体的に、具体的な方策より、その先は自分で考えてね、というような一般的な内容が多いのですが、それでも言葉を立たせて歌うために重要な示唆に富んでいると思います。

実は、一番伝わると思っていて伝わっていないのが母国語なのかと思ったりします。
たとえば、英語を話している場合、うまく聞き取れないと、聞き取れない自分をしっかり認識していて、だからこそ聞き返したり、愛想笑いで誤魔化したりしてしまうわけです。日本語の場合どうでしょう。意味をちゃんと理解してないのに「そうだよね~」「うん、うん」「へえ~」なんて勝手に相槌を打ってしまったりしませんか。
だから、話すほうも結構適当になる。さんざん長い話をしたのに、後で話した相手に聞くと、何にもわかってなかったりすることありませんか。
そういった、暗黙に相手がわかってくれるという安心が母国語にはあると思うのです。
コミュニケーション力に長けている人は、実際のところ、話し言葉の主語述語がしっかりしていたり、正確な言葉遣いをしたり、メリハリの利いた話し方をしています。それなりの技を持って、話をしているのです。
日本語の歌を歌うにも、そういった技があると思います。それは気持ちの問題なんかじゃなくて、出来る人は自然に身に付いているような、それでいて言葉で説明するのが難しいような、そんな法則があるはずです。

日本語だからこそ、逆にそういった技ではなくて、気持ちだけで解決しようとしがちです。そうならないように、言葉の発し方を、冷静に、かつ客観的に判断する力が演奏者に必要です。ハーモニーの記事は、その大切な鍵を紹介しているように私には思えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿