2011年3月14日月曜日

日常と非日常の境目(大震災に寄せて)

金曜日に大地震が発生して以来、報道は地震一色でしたね。
私には何しろ津波の映像がショッキングだった。もうこの一言に尽きます。多くの人がカメラを持っている現在、時が経つほど様々な津波の映像が報道で取り上げられるようになって、益々この天災の凄まじさを恐怖を持って見つめていました。

特に最初期にヘリコプターから撮影された映像が何とも象徴的。
いつもの日常が、まるでSF映画のように恐怖の非日常空間に呑み込まれていく様は衝撃的でした。まるで白紙に絵の具を塗るかのように、あまりに簡単に容易に進行していきます。私たちはそれを俯瞰的に傍観者的に見るしかないのだけど、あの最前線でいきなり非日常に呑み込まれた人々のことを思うと、どうしようもない戦慄を覚えます。
私たちの生活は、かくも簡単に日常と非日常の境目を飛び越えてしまうのです。

私たちはこれほどまでに天災の前には無力であり、そのような恐怖は突然やってくるのであり、もはやそれは理不尽さといった言葉を超えた超越的な意識でしか、この事実を受け止めることは出来ません。
今さらながらに何かしら宗教的な意識を感ぜずにはいられないのです。つまり、神のみになせる技と言ったような。

現実生活で被災していない私たちができることは、募金などごくわずかなことしか無いけれど、日々芸術の世界で自己表現を続けている身としては、何かこの感覚を伝えねばならないような気持ちを感じています。何らかの形で、哀悼の意と超越的な力を表現するモノを形にしたい、というかするべきなのだと思うのです。
こういった一人一人の行動は小さなものだけれど、それが大きなうねりになって、新しい何かが始まるかもしれません。

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