2009年6月3日水曜日

激動の音楽業界

ふたたび、音楽業界ネタ。
経済産業省から、音楽産業のビジネスモデル研究会報告書が発表されました。50ページを超える量で内容もヘビーですが、音楽産業に興味がある人だけでなく、今後音楽とはどうあるべきなのか思いを巡らそうとしている人にとって大変興味深い内容だと思われます。是非、ご覧ください。
大まかに言えばこの報告書では、CDの売り上げに頼っていた音楽業界は、パッケージビジネスというやり方を変え、コンテンツそのもの(音楽そのもの)の価値に立ち返って、多角的にビジネスを展開していくべき、といった内容が書かれています。

いずれにしても、音楽の価値を単純にCDの売り上げで判断してしまう傾向こそが問題なのです。
もちろん、誰もが自分は売り上げで音楽の善し悪しを判断していない、と言うでしょう。しかし、個人が信条としてそう言うことと、企業がビジネスの論理で行うことはどうしても相容れません。
企業が利益を追求するのは当たり前のことですから、彼らは「売れる」コンテンツをこそ欲しがります。その結果コンテンツを作る際には、それほど音楽に興味を持たないにわかファンをどれだけ取り込めるか、という視点が重要視されてしまうことになるのです。

音楽的価値とCDの売り上げとは全く相関が無い、などと言うつもりはありません。
しかし、パッケージの売り上げを増やすことを至上命題としていた音楽産業が、音楽のあり方を少しずついびつな方向に向けてしまったことは疑いのない事実だと思います。
売り上げの呪縛から解放されたとき、音楽はもっと質で語られるようになるような気がしているのです。

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