2008年12月21日日曜日

K-20 怪人二十面相・伝

アメリカ映画のヒーローものと言えば、スーパーマン、スパイダーマン、バットマン、最近ならアイアンマンといった、たくさんの面白い映画があるわけですが、なかなか邦画ではその系統の映画がありません。このK-20は、そういう状況に真正面から挑戦した映画と言えるでしょう。
時代や社会状況などの舞台設定はなかなかいいと思います。全体的なストーリーも思いのほか練られています。ヒーローものの定石である、ヒーローになるまでの訓練シーンとかも、いい感じだと思いました。この手の映画のポイントであるガジェットへのこだわりなんかも、結構気に入りました。

ただ、各シーンの台詞のやり取りがどうにも甘いのです。
最近の邦画の面白さに比べると、正直質は低い感じ。ちょっとひねりの利いたギャグの後で、「このギャグの面白さはねぇ」といって丁寧に説明されているようなダササが各所にあって、もっとスマートに説明をさばけないものかと思います。役者の演技も、意図の強調具合がいささか過剰。
特に最後のシーン、思いがけない展開があるのだけど(予期出来ないでもないが)、その後に「実は、あれは○○だったのさ」みたいな説明をされると、小学生向けヒーローもののような幼稚さを感じずにはいられません。

いい意味でアメリカヒーローものの影響を受けていて(冒頭のタイトルロールはスパイダーマンのマネ?)、こういったジャンルも洗練されつつありますが、もう少しディテールに拘ると人間ドラマに深みが出てくるし、その結果シリーズの独自性も生まれてくるのではないでしょうか。
もしかしたら続編もあるかもしれないですね。

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