2008年5月10日土曜日

ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎

Golden本屋大賞受賞作っていうので、思わず手が伸びてしまいました。
しかし、伊坂幸太郎という人、すごく活躍しているみたい。本屋大賞にも毎年ノミネートされていたようだし、何作も映画化されています。

基本的にはこの手のサスペンス、アクション+ちょっと社会派みたいのは私の守備範囲外なのだけど、さすが大賞を取るだけあって、非常に面白い。最初から最後まで次の展開が気になって読むのを止めることができません。
内容はざっくり言えば、首相暗殺の濡れ衣を着せられた男がひたすら逃げ回る数日の記録、といったところ。何しろ逃げ回るっていうのがこの小説の基本的な設定なので、最後までドキドキハラハラの連続。映像でなく活字なのに、こんなに逃亡しているリアリティが伝わるってのが、この作家の筆力なんでしょうね。

もう一つ、小ネタや伏線の張り方なんかもこの人の面白さの一つ。
そういう意味では非常に技巧的。読んでいて、あれそう言えば、と思い返し、前のページをめくることが何度もありました。こういう技巧が常にいいわけではないけれど、長大な交響曲の堅牢な構築性と共通のものを感じます。
そういうのも活字好きの人からマニアックに支持されている要因なのかもしれません。

私の予想では、きっとこの小説も数年の間に映画化されるんじゃないでしょうか。いや、それを狙って書いてるような気さえします。

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