2008年5月17日土曜日

編曲することの意味

J-POP関連の話題の発展ということで。
ポップスの合唱編曲ステージというと、どうも芸術的に一段低いものと感じがちです。やっているほうがそう思っている限り、残念ながら演奏もそういうものになってしまいます。
そもそも、なぜ他ジャンルの音楽を違う編成に編曲することが広く行われているのでしょう。ざっくり言って次の二つの理由があると思います。
1.お客が知っている曲があると楽しいと感じるから
2.耳慣れた曲が、新しい編曲で演奏されることに新鮮さを感じるから

上記より編曲は本来、一粒で二度おいしい演奏効果を持っています。
合唱で言えば、純粋な合唱曲は普通の人にとって一般的ではないけれど、流行歌なら知っている人も多いでしょう。そういった曲を合唱独自の編曲で聴かせることは、演奏会をより楽しんでもらうために重要な方法の一つだと思います。
だからこそ、編曲そのもののクリエイティヴィティが問われるわけですが、残念ながら出版されている編曲の楽譜は、なるべく多くの人に歌ってもらうために(あるいは、商業的に楽譜をたくさん売るために)あまり編曲に個性を発揮したものは多くはありません。
既成の編曲楽譜を用いるために、編曲の面白さがあまり無くなってしまい、しかもそれがピアノ伴奏付きだったりすると、合唱の演奏自体が単なる集団カラオケ状態にしかならなくなってしまいます。

そういう意味では、オリジナルの合唱曲を演奏するより、ポップスの編曲ステージをやるほうがはるかにその団の芸術センスを問われます。しかし、本来そういう覚悟を持って編曲ステージを作るべきだと思うのです。もちろん、団内で編曲が出来るのなら、それが一番良い方法でしょう。

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