2005年3月4日金曜日

歌の習熟と脳回路

合唱団で新曲を練習しているときに、例えばほとんど同じフレーズだけどちょっとだけ違う、というようなフレーズが別の箇所にあったとします。その曲を初めて歌う人は、その箇所でつい前に歌ったように歌ってしまい、ちょっとだけ違う部分に思わず引っ掛かってしまうことが良くあります。その度に、なんでこっちとあっちで音が違ってるんだよーと思わず突っ込みを入れたくなります。
その他にも、例えば1番、2番があるような有節歌曲的な曲の場合、2番のときに間違って1番の歌詞を歌ってしまったり、逆に歌ってしまったりすることもしばしば。これも直前に歌ったフレーズを歌詞ごと覚えていて、何も考えないで歌うと、それがそのまま口に出てしまうのでしょう。
こういった例を考えると、どうも人間には、直前にしたことを丸々覚えておいて、同じようなことがあった場合、何も考えないと直前にしたように動いてしまうような仕組みがあるような気がするのです。
もう一つ、歌とは関係ない例ですが、早口言葉で「あかまきがみ、あおまきがみ、きまきがみ」なんてのがありますが、これ最後の「きまきがみ」というのが鬼門で、思わず「きまきまみ」とかなっちゃうんですね。ほんとに直前に言った「きま」という記憶が、速くしゃべらないといけないという意識の中で、脳髄反射的に出てしまうのではないかと思えます。
こういった脳内の回路は、コンピュータの心臓部、CPUのキャッシュ機能を思い起こさせます。キャッシュ機能とは、CPU内にある高速RAMに直前に実行したプログラムを取っておいて、取っておいたプログラムと同じプログラムを実行することがわかると、外部メモリにアクセスせずに、内部の速いキャッシュメモリからプログラムを読み込むという仕組み。最初から最後まで全て処理内容が違うプログラムというものはほとんどなく、実際には同じ処理が何度も何度も繰り返されるということがほとんどなため、キャッシュメモリがあるとCPU自体が速くなくても、処理全体が非常に速くなるというわけです。
ということは、人間の脳の中にもキャッシュ機能があって、直前に行った行動が常に取っておかれてあるということはないでしょうか。そして、前と似た行動を取る場合、わざわざ意識的に考えなくても、直前にやった行動をキャッシュから引き出し、無意識に再生するようになっているのかもしれません。
本当のところはもちろん全く分かりませんが、脳科学者にこのアイデアの是非を聞いてみたいですね。

2 件のコメント:

  1. 脳内キャッシュの話、10回クイズを思い出しました。
    しばらく前、TV「トリビアの泉」で、
    「言語学者と心理学者の考える最も引っかかりやすい10回クイズは?」
    というトリビアの種が出てました。
     「ニシン」と10回言わせて
     「赤ちゃんがうまれるのは?」と聞く^^;
    それはそうと、
    私は歌詞とメロディーをセットで覚えているらしく、
    有節形式が苦手です。
    歌詞が変わるとメロディーが出てこない^^;;

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  2. 10回クイズ・・・一頃流行りましたね。
    ヒマラヤ、ヒマラヤってやつとか。
    確かに、あれも脳のキャッシュ機能を使っていると言えるかも。
    >有節形式が苦手です。
    これは皆そうだと思いますよ。いやになるくらい歌って完全に全歌詞覚えない限り、合唱する者の敵ですね、こりゃ。

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