2014年4月18日金曜日

ビッグの終焉

Kindle版で読みました。
もちろん、Kindleのハードを持っているわけでなく、読んだのはiPhoneやiPad上です。
iPhone上で読むのは、画面が小さ過ぎてややつらいものの、この本の内容の面白さに、ページをめくる指が止まりませんでした。
自分の気に入った本だと、やっぱり物理本のほうが良かったかも・・・

さて、なぜそんなに気に入った本だったかというと、それはやはり自分の興味を持っていることにストレートに答えてくれている内容だからでしょう。

これまでもこのブログで書いてきたように、時代が大きく変わりつつあり、大きな組織より、個人が活躍する時代になるだろうと私は言い続けてきました。
もちろん、私などが言うまでもなく、こういった言説は至る所で語られているわけですが、こうやっていろいろな事例がまとまって書いてあるとその説得力は数倍になります。

この本で語られる「終わりになるだろうビッグ」は、次のようなものです。
報道機関、政党や選挙、エンターテインメント、政府、軍隊、教育や権威、会社。
いずれも今の時代、大きな組織として君臨しているものですが、それらは今後規模が縮小し、個人に負け始めるという現象が起きるだろうと予想しているのです。

しかし、本書の面白いところはビッグが終焉を迎える、ということだけでなく、それによる負の側面もきっちりと描いているという点です。
例えば、エンタテインメントの世界において、音楽アーティストは自力で音楽を発信することが可能になり、また作家は自力で本を出版することも可能になりました。今まで彼らを支えていたレコード会社や出版社といったビッグな組織が非情に厳しい状況に陥っている半面、音楽はAppleがiTuneで抑えてしまったり、本はAmazonが抑えてしまったりしています。つまりビッグよりさらに大きなビッグの台頭を許してしまっているのです。

AppleやAmazonはプラットフォーム側にいるということを強く意識して行動しているので、私たちは彼らが重要なプラットフォーマーになっていることをあまり認識していません。
確かにアーティストも、それを享受するファンにも良い時代にはなったのですが、莫大な利益が実はプラットフォーマーに落ちており、彼らの気持ち一つで市場のルールは簡単に変えられます。しかし、それはあまり好ましいものではありません。

それから、教育や会社については、今後ますます個人が活躍するようになると、間違った言説や品質の悪いものが世に流通してしまうという問題が生じます。
大きな組織だったからこそ、品質とか、内容の正しさとか、ある種の倫理観にそって個々人が行動できていたのですが、そういうタガが外れると、巷には面白いかもしれないけれど粗悪なものが蔓延する可能性があります。

それがどのように解決されるかはまだ著者にも私にも分かりません。
しかし、大きな組織が崩壊し、個々人は頑張れば報われるような社会こそ、私たちにとって理想なのであり、そういう価値観が社会に浸透するまでの期間、自分はどのような行動を取れば良いのだろうと考えさせられる一冊でもありました。。

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