2008年1月27日日曜日

スウィーニー・トッド

ティム・バートンのファンとしては、この映画、もちろん見ないわけにはまいりません。
彼については、以前もいろいろと書きました。(コレコレ
今回は、「ビッグフィッシュ」「チャーリーとチョコレート工場」というファミリーでも見れるファンタジーから一転、ダークで陰鬱、血なまぐさい復讐劇に変わります。しかし、いくらストーリーが変わっても、バートン節は健在。いたるところに、ティム・バートン的世界が散りばめられていて、もちろん、いたく感動しました。

今回は何といっても、ミュージカル映画である、ということが大きな特徴。
そもそも「スウィニー・トッド」ってミュージカルとしてすでに有名な作品なのだそうです。今回、映画中に使われた音楽も、その元もとのミュージカルの音楽が使われています。
音楽の特徴は、ポップな感じとは違って、オーケストラによるシンフォニックなサウンドで、曲とセリフの境目が不明瞭な感じが、むしろオペラと言ってもいいような感じになっています。音楽的にはドビュッシーとかのようなフランス的な雰囲気が漂っていて、「ペレアスとメリザンド」でも観たような気分。何度か現れる二重唱なんかも、すごくオペラ的です。
ということで、この映画を一言でいえば、「スプラッターオペラ」という感じか。

スプラッターというからには血が流れまくります。R-15指定です。スウィーニー・トッドは殺人理髪師なのですが、カミソリで容赦なく首がかき切られていきます。結末はかなり衝撃的で、(バートン世界に精通していない)一般な方なら陰鬱な気分で席を立つことになるかも。
しかし、手加減のないファンタジーこそがティム・バートンの真骨頂であり、それをドラマとして割り切りながら、その世界観を堪能するというのがこういった映画の楽しみ方でしょう。

もともとミュージカルということもあり、舞台となる場面がかなり閉鎖的。また、歌でその時々の心情を表現するので、若干映画としてのスピード感は失われています。
ただ、やはり歌の力というのは強いなあ、とあらためて思いました。トッドの娘が囚われの身になっているときに歌う歌にはホロリとさせられました。

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