2007年4月29日日曜日

バベル

話題性の高かった映画なので、ぜひ見たいと思っていました。
三つの舞台でのエピソードが平行して語られていくという、構造性の高いストーリー。この三つのエピソードは、冒頭の銃の発射事件という一点で繋がっているのですが、各エピソードが進行するに従ってだんだん絡んでいく・・・みたいな、脚本的なテクニックとはまた違います。実際には、各エピソードは平行して進行し、それぞれの物語がそれぞれに解決して終わります。個人的には各エピソードがだんだん絡んでくる・・・といった技巧的なストーリーのほうが興味あったんですが。

もっとも、この映画のウリはそのストーリーのシリアスさにあるわけです。
近くにいるのに分かり合えない、そんなシチュエーションを拾い上げ、ほんのわずかな狂いがどんどん拡大されて大きな悲劇に繋がる様子を描写します。誰も悪くないのに、事態はどんどん悪くなっていく。それは絶対的な悪の所為なんかではなく、みんなが持っているほんのわずかなエゴの所為なのでしょう。そして、本来的に人間同士が分かり合うことは大変難しいことなんだ、というのが、この映画の伝えたいことなのだと思います。

エピソードの一つ、日本が舞台のストーリーはややエキセントリック。菊地凛子扮する聾唖者の退廃的な若者風俗などは、いささか挑発的すぎるかも。日本が舞台で、日本人役者が演じていても、このストーリーは日本人の下じゃ作れないだろうなと思いました。
ただ、爆音のDJのシーンで何度も静寂になるところ、もちろん聾唖者の感じた様子を表現しているのでしょうが、言葉が通じない・・・「バベル」という状態をうまく象徴しているように感じました。

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