2007年3月6日火曜日

パフューム

異常に嗅覚が強い男がその能力を駆使し香水作りを始め、そしてついに恐ろしい犯罪に手を染めてしまうという話。舞台は18世紀のパリ。その男は、究極の香水作りのために、若い女性の香りを探し求めます。そしてついに連続女性殺人を犯してしまうのです。最後にその男の処刑のシーンがあるのですが・・・それが問題のシーンとなって話題になっています。
そもそも、このストーリー、スピルバーグ、リドリー・スコット等の有名映画監督が映画化を考えて原作者にオファーをしたという逸話つき。結局はそういったビッグネームでない監督による映画化となったようですが。

映画自体は、最初のほうでナレーション付きなのが時代物がかっていていまいちだと感じたのですが、後半、連続殺人になって街中が恐怖に震えるあたりからどんどん引き込まれます。
そして圧巻なのがラストシーン。簡単に言えば、数百人の壮大な乱交エッチシーン。まあ、人によってはかなり引いたようですが、なんというか、一種のファンタジーなんですね。香りが人々を恍惚にさせるということを、もっとも極端な方法で表現したというのか・・・。この映像を撮ったというだけで、監督は本望だったのではとも思えてしまいます。
主人公は目的のために手段を選ばない、冷徹な恐ろしさを秘めています。それが映画全体の気味悪さをかもし出していて、そのためになんとなくこの映画を見終わったあと、居心地の悪さを感じる人も多いかもしれません。
でも、こういったある種の悪趣味さ、グロさ、変態っぽさ、というのはすごくヨーロピアンな感じがするし、そういう中に究極の美を見出そうとする感覚には、どこか共感を覚えたりもするのです。

ラトル指揮・ベルリンフィルの音楽も巷では評判になっているようです。なかなか静謐で物悲しい感じで、きれいな音楽だと思いました。

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