2005年5月14日土曜日

ヘルツとセント

知っているようで意外と知らない人が多いのが、ピッチの単位のヘルツとセント。
ヘルツは一秒間に何周期あるか、を表した値です。またセントは100centを半音として、音の間隔を示したものです。例えばドとソの間は700centの間隔があります(もちろん平均律の場合)。
上記のようにヘルツは周波数で、音の絶対的な高さを表すことが出来ますが、セントは音楽的に分かりやすくするために対数を取った値なので、絶対的な高さを表すことが出来ません。つまり、1000Hz の音というのはあるけれど、1000cent の音というのはないのです。セントはあくまで音の相対的な距離を表すために使います。
音楽には、この対数的感覚が必要なことがままあります。音量のデシベル(dB)も、もとはといえば対数値。人間の知覚に近い感覚で音現象を数値化しようとするとどうしても対数的処理が必要になります。
二つのピッチ f1(Hz) と f2(Hz) のセント差は、以下のような式で求められます。
セント値 = 1200 × log 2 (f1/f2)
これを自然対数で計算できるようにすると
セント値 = 1200 × (( ln f1 - ln f2 )/ln 2)
となります。
自然対数の ln などというと、「わ、わけわからん」と言われそうですが、Windows の電卓で数値を入れて ln を押せばすぐ値は得られます。
例えば、500Hz と 520Hz のセント差を求めたければ、
ln 500 = 6.214…、 ln 520 = 6.253…、 ln 2 = 0.693…
となるので、セント値はだいたい 67.9cent となります。(間違ってないよね)
暇な方は計算してみてください。

4 件のコメント:

  1. はじめまして。澄田と申します。このcentで表される相対距離は、演奏家にはとても大切ですよね。和音を構成するいくつかの音どうしのこのcent値には、「引力」が働いていて、すべてのcent値がうまくバランスしたときに、オケなどでは純正調の理想的な響きが作られるようにおもいます。
    普段は平均律を念頭に曲作りをしておられるのですか。

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  2. 澄田さん、はじめまして。
    コメントありがとうございます!!
    >演奏家にはとても大切ですよね
    そうですね。特に音律とか、ハモリとかを表現するときに便利な単位です。ただ、きりのいい数字は、数学的な定義のために平均律的な数字になってしまいます。
    >普段は平均律を念頭に曲作りをしておられるのですか。
    これは難しい質問…
    ピアノ(やDTM音源)で音を確認しながら作っているので作曲中は平均律を聞いていることになりますが、やはり演奏する側には純正な和音で演奏して欲しいと思います。

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  3. なるほど! MATTさんは曲を作られるとき、全体像から考えますか、それともパーツからでしょうか?

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  4. パーツは曲を書き出す動機にはなると思いますが、全体像なしに曲を書き出すということはないですね。
    もちろん、全体像を別に書き出したりしているわけではないけど、頭の中では何小節くらいでこんな構成(形式)、というのは決めないと曲は書き始められないです。
    曲全体が大きくなるほど、事前の構想の必要性が高まるのではないでしょうか。

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