2006年1月15日日曜日

アイリッシュ・フルートとハープ

浜松市楽器博物館のレクチャーコンサートシリーズで、「アイリッシュフルートとハープ」と題されたコンサートに行ってきました。
出演は守安功&雅子夫妻。二人とも1980年代からアイルランドに毎年数ヶ月滞在し、現地の名もない演奏家と交流しつつ、日本でアイルランド音楽を広める活動をされています。その様子はドキュメンタリー番組としてまとめられ、アイルランド国営放送で放映されたとか。最近は、古い失われたアイルランド音楽を発掘し、演奏するなど、アイルランドの音楽にかかわる多面的な活動をしているようです。
そもそもこのコンサートに行ったのは、妻が大学時代、この先生にリコーダーを教わっていて、変わった先生だと話を聞いていたからですが、守安氏はその大学も今は辞めてしまったようです。さんざんと「某有名私立大学」を辞めて、と言っていましたが、「私立」を強調するあたりがこの人一流のシャレなんですね。(つまり「国立」なのに私立ということ^^;)

非常に楽しく興味深いコンサートでした。ただ、その面白さのほとんどは、守安氏のキャラによるものと言っていいでしょう。何しろ、話がうまい。それに強烈な個性です。もう、大学の先生になんか、納まってられない人です。
アイルランドで多くの人たちと仲良しになり、広く人の輪を広げて、そういった中で草の根的な演奏活動をする、といったことがまるで天職のような人です。2時間近く、人をまったく飽きさせないテンションは、もうただ者ではない感じ。

音楽も大変面白かった。はっきり言って、アイルランドの音楽は素朴の一言です。旋律もほとんどダイアトニック音だけで構成されています。
それだけに演奏から滲み出る情感のようなものが、よく伝わってきます。旋律には即興の装飾や、効果も多く、それだけに演奏者の裁量の度合いが大きい。守安氏の笛、雅子氏のハープ、そして太鼓は、素朴ながらとても印象深く、心の奥底を震わせるような音楽でした。
雅子氏もただ者ではないですね。太鼓、ハープ、コンサーティーナ(小型のアコーディオン)を自在に操るには、相当な音楽センスが必要です。経歴にはないけど、相応の音楽経験があるに違いありません。
というわけで、なかなか楽しい音楽を聞かせていただきました。

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