バレエ団内での主役をめぐる争い・・・というような程度のイメージで見に行った映画、ブラックスワン。もう〜全然違うじゃないですか。これ、もうほとんどサイコホラー。しかも、正直やや趣味が悪い。
趣味悪いってのは、「呪怨」並みのどっきりシーンがたくさんあるってこと。つまり、いるはずのないところに人がいたり、動くはずのものが動かなかったり、動かないはずのものが動いたり・・・
後半にいくに従い、現実と妄想の境目が曖昧になってきて、いつどんなショッキングなシーンが出てくるかとハラハラしながら見てました。
女癖の悪い芸術家肌の舞台監督(演出家?)ってのもやや古典的な設定で、ちょっと苦笑してしまいます。
こういったサイコ系としては、必ずエロ妄想などが出て来ます。主演のナタリー・ポートマンは、正直セクシーとは言い難いのですが(バレリーナ役だし)、ここまで体当たり演技をしたのはびっくり。まあ、内容が内容なので、こういったエロシーンもすんなり入ってきてしまうのは確かなんですが。
しかし、ちょっと間違うと成人映画すれすれなわいせつ感、お下劣感が、ダーク感、アングラ感を余計助長させています。
こんな感じの映画なので、コワイものを見たい人にはお勧めしますが、痛いのが嫌な人とかは、止めた方が良いでしょう。バレエ団が舞台、という一見すると格調の高さを感じる題材ですが、それも誤解を招く原因の一つ。
とはいえ、観客をどうしようもない不安と恐怖に陥れるこの監督の手腕は大したものです。そして、全体を覆う薄暗さ、登場人物の薄気味悪さ、鋭利な小物の数々・・・。あるいは、このストーリーの中に、芸術を極めようとする崇高さとか、心理学的な要素を感じることも可能でしょう。
サイコな世界が好きな方はご覧下さい。
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