2011年5月2日月曜日

英国王のスピーチ

月初めの1日はTOHOシネマズが1000円になる日、ということで妻と二人で映画を観に行きました。
今はGW中で家族向け映画だらけ。ほぼ自分が観たいと思う唯一の映画だった「英国王のスピーチ」を選びましたが、これはなかなか良い映画!
ハリウッド的なアクションは全く無し。テンポも緩く、渋い言葉のやり取りを楽しむといった、いかにもヨーロッパ的な映画。

内容は比較的史実に基づいたもの。第二次大戦中のイギリス国王ジョージ六世は吃音症で、演説が苦手だったのだけれど、妻の献身や風変わりな言語聴覚士ローグの努力によって、重要な演説を成功に導くまでを描いています。
さすがイギリス映画だけあって、イギリスにおける王族のあり方とか、階級社会の意識とか、そういうものが垣間見えるのがとても新鮮でした。
ローグは実際何の専門教育も認定も受けていない、超怪しい言語聴覚士なんですが、だからこそ、破天荒な診療を行っていけるというのがこの話のミソ。平民なのに王族と対等の関係を要求し、ファーストネームで呼び合おうとする。そして王族に対しても(将来の国王に対しても)辛辣な言葉を浴びせかけます。そこが、この映画の痛快なところ。

しかし、吃音症とか、ドモリっていうのは物理的な障害なのではなく、むしろ心理的なものなんですよね。私もどちらかというとドモり傾向なので良く分かります。だから、吃音症を直すというのは、本質的にメンタルな診療にならざるを得ない。そして、それは心の傷を見つめ直すことに他ならないわけです。
そして国王になるジョージ六世が幼少の頃、無理やり左利きを右利きに矯正されたり、足の形を無理やり直されたり、とかいった子供の頃の一種の心の傷が明らかになるにつれ、王族として生まれることの哀しさなどをさり気なく表現しています。

たかだか80年ほど前の吃音症の実在の王の話を映画にするっていうのもある意味勇気あること。実際、吃音の感じなんかも、とてもうまく演技していてびっくり。多少脚色しているにしても、演技にリアリティがあって、王の苦悩が何だか自分のことのように思えてきてしまったのでした。

2 件のコメント:

  1. しばらく前に観ましたよ。
    ウチは夫婦50割引とかいうのが適用されるので、
    ふたりで行けば日時にかかわらず一人1000円です(^^)。
    顎の関節が硬いのをほぐす運動とか、
    ブレスの入れ方とか、歌屋として興味深い場面が、
    いっぱいあって面白いと思いました。

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  2. どうも、MUGIさん。
    子音の練習とか、歌で言ってみろとか、面白かったですね。話すことと歌うことはかぶることが多いと確かに思いました。

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