すでにこれまで紹介して来たとおり、理系ネタの合唱組曲を作曲していましたが、ようやく完成いたしました。
今までの記事はこちらとこちら。
ちょっと重複しますが、概要を以下に記します。
組曲名は、混声合唱のための「プリンキピア」。テキストはニュートンが万有引力と天体の動きについて解説したプリンキピアという書物から抜き出したもの。ラテン語です。
編成は、Sop/Alto/Tenor/Bariton/Bassの男声が多めのアカペラ5声。比較的男声が多いと思われる大学混声合唱団を念頭に作りましたが、もちろん大学生で無くても構いません。
曲は全部で3曲。演奏時間は全体で16分ほど。
各曲はそれぞれ5分近い長さなので、それなりに骨のある曲ではあると思います。
特に2曲目は東日本大震災後に初めて作った曲だったので、予定になかった"Amen"の文言を付け加えるなどして、震災犠牲者に捧げるレクイエム的な音楽になりました。
そして3曲目は、1曲目と2曲目の主題を変奏する、快速な音楽です。組曲の最後はシンプルな和音で、1曲目2曲目を回想しながら消えゆくように終わります。
今回の曲では、ラテン語の作曲に挑戦しました。
もちろん私はラテン語そのものには詳しくなく、単語のアクセント、イントネーションなどにはやや不安があります。しかし、今回は単語のディクションの再現よりも曲のイメージ作りを優先し、もうアクセントとかシラブルとか細かいことを気にせずに、思い切って単語をどんどん音符に当てはめて作っていきました。
そのため今回は、全体をほとんど器楽的な音楽として作曲し、後で歌詞割りを行うという一般的な合唱曲らしからぬ作曲方法になりました。おかげで普通の邦人合唱曲とずいぶん肌触りが違うものになったと思われます。
歌詞は一種の記号であり、極端に言えば合唱曲とはいえ音符だけでも独立して成り立つような音楽、を目指しました。テキストが含む情緒に過度に依存することへのアンチテーゼと考えてもよいです。
MIDIを公開していますので、是非一度聞いて頂き、感想など頂けると大変励みになります。
今のところ初演のあてはありません。【初演団体募集中】です。この風変わりな曲を初演してみたい、という挑戦者をお待ちしております。
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