倍音とは、周波数が2倍、3倍・・・のサイン波のことでした。
ここで、周波数が2倍、3倍・・・という話題、ハモる音程のところで何度か出てきたことを覚えているでしょうか。ピッチの周波数が2倍、3倍である音程はハモるという話題です。ということは、ハモる音程と倍音というのは何か関係があるのではと想像できます。
もともと倍音とは一つの音に含まれている音の成分のことです。音程とは二つの音のピッチの違いです。
以下、ちょっとややこしくなりますが、頑張って読んで下さい。
二つの音、AとBがあるとします。AのピッチはA[Hz]、BのピッチはB[Hz]としましょう。
また、Aの倍音の周波数を下から順にa1,a2,a3・・・[Hz]とします。例えば、Aの5倍音はa5[Hz]です。Bも同様とします。
理系はこういう風に、いきなり具体的な数を使わずに抽象度の高い記号を使います。だってこっちのほうが分かり易いんだもの。
では、この辺りで上の記号に具体的な数字を入れてみましょうか。
A=400[Hz]、B=600[Hz]はどうでしょう。
BはAの1.5(3/2)倍の周波数ですから、完全五度の音程であることが分かります。それぞれの倍音の周波数を以下に書き出してみます。
Aの3倍音(a3)とBの2倍音(b2)が同じく1200[Hz]で、ピッチが同じですね。これはその昔数学でやった最小公倍数の問題でもあります。
つまり完全五度の音程は、双方の倍音に共通したピッチを持っている、ということがわかります。
「ハモる」理由については、所詮人間が脳の中で感じることですから、厳密なことはわかりません。ただ、比較的低い周波数に共通の倍音を持っている、ということが「ハモる」と感じる原因であるとは考えられるのです。
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