2005年3月14日月曜日

ローレライ

架空戦記っていうんでしょうか。でも、ローレライシステムというのが超能力だったという設定は、なかなか面白いなと感じました。太平洋戦争をそのまま描けばどうしてもシリアスになっちゃうし、戦闘シーンを楽しませようと思うなら、こういったSFチックにしてしまうほうが、エンターテインメントとしては王道かも。
だいたい、テレビや映画で太平洋戦争を扱うというのは大変難しいと思います。私ならそういう題材を自ら扱おうという気にはならないでしょう。近い出来事ゆえに、一つの事象を見ても様々な見方があり、どのような見つめ方をしても全体像を捉えることが出来ないからです。もちろん、実際にこういう題材を扱う場合には、ある見方に固定するしかないのですが、それがときに危うく映ります。
例えば、主人公の艦長は特攻を嫌っています。生きることの必要性を何度も説きます。もちろん、今の我々から見ればそれはすごくまっとうなことだけど、あの時代にあのような言動が可能でしょうか。本当は心の奥底でみんなそう思っている、というのも私は嘘だと思います。そのくらい社会状況による常識の違いは大きいと思います。映画だから許されるとは思うけど、私としては少し気になってしまうんです。
だから、いっそのこと、私などもっと架空度を高めた方がいいんじゃないかと思います。もっとSF度を高めたりするとか、そういう形で。でも、それはそれで批判を受けそうですが。
とても濃いキャスティングでしたが、物語がもう少し濃くても良かったような気が。この基本ストーリーならもっとハラハラ、ウルウル作れそうな気がするんですけど。

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