ふーん、なるほどねぇ、うまいなあ。
日本の超大作と違って、金をかければきっちりと面白い映画を作るんですよね。ほんとに感心します。
それに私、この作品の作り手の感性が、結構好きです。どういうことかと言うと・・・
そもそも、主人公ピーターは全く冴えないキャラ。一般的に、SFとかヒーロー物って主人公のカリスマ性に頼るところが大きいのだけど、このスパイダーマンシリーズは、あくまで「冴えない主人公」にこだわります
アメリカならなおさら、きちんと自己主張して、自ら未来を切り開くような力強い人物に賞賛が集まるはず。しかし、どんな世界だって、引っ込み思案で、自信なさげで、からかわれ易い体質で、大事なときに的確な言葉を話せないタイプの人間はいるわけです。恐らくサム・ライミ監督は、そういう人の心情を良く分かっていて、そういったイケてない人間を愛情を込めて描こうとします。ティム・バートンなんかもそういう傾向があるのだけど、誰の中にもあるそういったダサさ、自己卑下的な部分の表現にとても共感できるんです。
特に今回は、ピーターの人間的な弱さが、スパイダーマンであることの慢心や、自分を裏切った人への嫌がらせ、恋敵に対する嫉妬といったような、負の感情によるセコい行動として表現されていて、そういう感情表現がものすごくリアル。超娯楽アクション大作なのに、こんなセコい人間行動に着目するあたりが心憎かったりするんです。
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