CC合唱曲シリーズに男声合唱曲「政治家」を追加しました。
楽譜のPDFファイルとMIDIファイルをココにアップしてあります。ヘンなタイトルの詩と思われるでしょうが、いちおう宮沢賢治の詩。
全文はこんな詩です。
政治家
あっちもこっちも
ひとさわぎおこして
いっぱい呑みたいやつらばかりだ
羊歯(しだ)の葉と雲
世界はそんなにつめたく暗い
けれどもまもなく
そういうやつらは
ひとりで腐って
ひとりで雨に流される
あとはしんとした青い羊歯ばかり
そしてそれが人間の石炭紀であったと
どこかの透明な地質学者が記録するであろう
古今東西、政治家というものはあまり変わらないようで、特に昨今の政治の混迷ぶりには、まさにこんな詩と同じ思いを感じる人も多いことでしょう。
この詩では、もはやそういう政治家に諦めの感情を抱いており、こんなバカバカしいゴタゴタも何万年後、何億年後には単なる人間の石炭紀として無に帰すだろう、その程度のつまらないことさ、といった気持ちがひしひしと伝わってきます。
宮沢賢治は文学、音楽などを残した芸術家として知られますが、その活動から純粋理系精神を感じ取ることが出来ます。硬質で、宇宙的で、内面的なその指向が、政治家的な人間性とは全く接点を持ち得なかったことは想像に難くありません。
政治家と地質時代の石炭紀と言う言葉、もっとも相容れない二つの言葉を並置させ、その存在の卑しさをことさらに引き立てようとした賢治の気持ちは、今でも十分に通用すると思います。
そんな皮肉に富んだ詩を、男声合唱で今、歌ったら面白いなと考えたわけです。
なるべく、簡単に歌えるようにシンプルに書こうと思っていたのですが、出来上がってみたら結局私印満載のちょっとややこしい感じになってしまったかもしれません。後半の変拍子はやや難儀するかもしれませんが、言葉をしゃべるように、まるでラップのような感覚を自分なりに追求してこんな感じになってしまいました。
政治に一家言あるオヤジ世代の方々に取り上げてもらえると大変嬉しいですね。
民主党代表選も近づきつつある昨今、あまりの候補者の乱立で民主党の烏合の衆ぶりを露呈しているわけですが、そんな世相を笑い飛ばすつもりで、シャレで歌ってもらえると嬉しいです。
もちろん、ボーカロイド等で音源化してくれるのも大歓迎!
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