次に波形を横に区切ってみます。波形を横に区切るということは、波形の振れ幅を調べるということになります。横に区切るのを細かくすればするほど、波形の振れ幅を正確に表現することが出来ます。
波形を横に区切ることを量子化といいます。サンプリングは時間を表しましたが、量子化では波形の振幅を扱います。
波形の振れ幅というと、どれだけ大きい音を記録できるか、というふうに捉える方も多いと思いますが、どちらかというとそれは逆です。つまり、どれだけ小さい音を記録できるか、というのが量子化の性能の高さを表します。
デジタルの特徴は、枠をはめるということです。
デジタルでは、最初から記録できる最大音量が決まってしまいます。ですから、どれだけ細かく量子化できるか、ということは、どれだけ小さな音が記録できるか、という性能になっていくのです。
一般に、記録できる最大音量と最小音量の差のことをダイナミックレンジと言います。現在のCDでは、横に区切る細かさは65536段階。ずいぶん中途半端な数字だと思うなかれ。コンピュータの世界では、非常に切りのいい数字なのですよ。一言でいえば2の16乗、つまり16[bit]のデータです。
ダイナミックレンジはデシベル[dB]という単位で表現します。振幅が2倍だと(つまり1[bit]あたり)6[dB]のダイナミックレンジを持つと表現します。従って16[bit]では、96[dB]。
つまり、CDのダイナミックレンジは96[dB]であると言うことが出来ます。
高音質なデジタル音声ということで2496(にーよんくんろく)などと、業界で言われる数値があります。これは、サンプリング周波数を96[kHz]に、量子化ビット数を24[bit]にするということです。これにより、情報(音声のデジタルデータ)は3倍にふくれあがりますが、縦横の区切りがより細かくなるので、音がさらに良くなるというわけです。
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