2010年7月17日土曜日

32.縦に区切る─サンプリング

波形を数字に変換するには、<図30-2>にあったように、グラフを縦にも横にも細かく分割しなければ(目盛りを入れなければ)いけません。ここでは、その分割の意味を考えてみましょう。

では、まず縦の線について。
波形は時間による波の位置なので、縦の線は時間の流れを表します。左側に行くほど時間は古く、右側に行くほど時間は新しくなります。



波形を縦に区切ることをサンプリング(標本化)といいます。もう少し丁寧にいうなら、サンプリングとは、時間を細かく区切って、その細かい単位で波形の位置を得ることを意味します。

問題は、その時間の細かさです。この細かさのことをサンプリング周波数といいます。サンプリングは一定間隔に周期的に行うので、それを行う頻度を周波数で表すわけです。
CDでは、サンプリング周波数は44.1[kHz]です。一秒間を44100回分割します。分割した時間の長さは割り算すると、約22.7[μsec]。一般的にはデジタル音声信号は44.1[kHz]のサンプリング周波数であることが多いですが、より高品質な音声信号が必要な場合、さらに細かく分割した96[kHz]が用いられる場合もあります。
サンプリング周波数については、サンプリング定理という重要な法則があります。デジタル化された音声は、サンプリング周波数の1/2までの周波数しか記録できないという定理です。
例えば、CDなら44.1[kHz]の半分、22.05[kHz]までの音が記録できます。96[kHz]なら48[kHz]までの音が記録できます。
以前も書いたように、人間の可聴域は20[kHz]程度と言われていますから、CDに記録できる周波数は人間の可聴域をカバーしていると言うことが出来るでしょう。

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