2010年7月26日月曜日

34.デジタル信号の流れ

デジタルは単なる数字です。当たり前ですが、耳元で数値の羅列を囁かれても、それは音楽としては聞こえてきませんよね。空気の振動を数値に変えたり、また数値を空気の振動に戻してあげる必要があります。
実際の音をデジタルで取り込むには、マイクが必要になります。マイクで録音した音声をデジタルにすることをAD変換(アナログからデジタルへ)と言います。逆に、デジタルのデータをアナログにすることをDA変換と言います。DA変換されアナログになった音声はスピーカーで本物の音になります。

つまり、デジタル音声を扱うには、AD変換とDA変換の必要があり、アナログの部分に音を入力するときにはマイクを、アナログ音声を出力するときにはスピーカーが必要になるわけです。
上図の「デジタル各種処理」とは、実際どんな処理が考えられるでしょう。
録音時の場合、雑音の除去、音量の補正、曲の区切りなどのインデックス付けなど、再生時の場合は、再生装置の音響補正や、再生機器の機能としての残響付加、サラウンド効果、といった処理が考えられます。

デジタルな音声システムにおいては、どのようなマイクやスピーカーが重要でしょうか?
あくまで私見ですが、デジタル化が進むほど、入力側のマイクの性能が重要になり、むしろ出力側のスピーカーの品質は重要ではなくなると考えています。
スピーカーの場合、部品の品質の低さをデジタルで補正することがある程度可能です。一般に小さいスピーカーでは低音は出にくいのですが、上図のデジタル処理の中で、低域を多めにしてあげれば良いのです。また、周波数によって出力にムラがあるようなスピーカーでも、ピンポイントでデジタル補正してあげることも可能です(イコライジング)。
一方、マイクの場合、録音時に欠落してしまったデータはあとで追加することは出来ません。ある程度の補正は可能でしょうが、後でデータを加工するのなら、オリジナルの録音はとことん高品質で録られる必要があります。
昨今、音楽録音用のICレコーダが一つの製品ジャンルとなり、各社から発売されています。マイクも会議用のショボいものではなく、音楽用の結構立派なマイクになっていて、録音機材の環境はかなり良くなってきています。こういった機材で生演奏を録れば、高品質な録音データが得られます。

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