2010年5月11日火曜日

22.音の大きさ

音が大きい、とか小さい、というのは物理的には、波形の振動の幅が大きいか小さいか、ということです。ですから、波形を見ればある程度の音の大きさは想像することは可能です。

音が人間の聞ける最大音量を超えるとどうなるでしょう。爆音のロックコンサートでスピーカーの真正面にいると、後で耳がおかしくなることがありますよね。あんまり酷い音量の音を聞くと、いつか耳の機能は破壊されるのではないでしょうか。
では、最小音量はどうでしょう。そもそも音のない状態、というものを想像できますか。一人で部屋に居て静かにしているとき、そんなときでも何かの音はしています。
音の実験などをするときに無響室という特殊な部屋を使います。無響室は極限まで音の反射を押さえた部屋です。無響室に入ると、あらゆる音が小さくなります。何か耳を圧迫されたような不快感です。これもまた自然ではあり得ない、人工的な状態です。そして、こういう部屋でないと、聞こえる最小音量を測定することは出来ないでしょう。

実は、物理的に調べた音量(波形の振幅)と、人間が耳で聞く音量は必ずしも一致しません。人は聞くことができる周波数の極限に近づくと、だんだん小さな音が聞こえなくなるのです。
人間の可聴域は20〜20000[Hz]です。ですから、20[Hz]付近の低音、及び20000[Hz]に近い高音では小さな音が聞こえなくなります。
可聴域という概念があるのと同様、人間が聞こえる最大音量と最小音量があるわけですが、それは周波数に依存しているのです。



聞こえる音量を周波数毎に記録したグラフをラウドネスカーブと呼びます。以下はWikipediaに置いてあるグラフです。

一番下の線が人間の聞こえる最小音量です。縦軸が物理的な音量(波形の振幅)で、赤いカーブは各周波数で人間が同じ音量だと感じる音量です。これを見ると、物理的な音量と人間の感じる音量に違いがあるのが分かります。

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