2010年2月7日日曜日

4.そもそも音って何

さて、これから音にまつわるいろいろな理屈をお話ししようとするわけですが、そもそも音って何なのかを最初に言うべきでしょう。
ものすごくざっくり言っちゃうと、音とは空気の震え(振動)です。
空気そのものの動きは風になりますが、空気がその場で震えると音になります。音になる「震え」というのは肌に感ずるより微少で、非常に素早い空気の粒子の動きと言えます。
一カ所が震えると、その震えは周辺に伝わります。そのようにして、音は空間に広がっていきます。
音が空気の震えで伝わるのなら、空気が無ければどうなるでしょう。もちろん、音は伝わらなくなるので聞こえなくなります。つまり空気のないところには音は無いのです。

音によって人間は周りの様子を知ることが出来ます。人が後ろから近づいてくる音とか、遠くで何かが割れた音とか、目で見えなくても音で何が起きているか予想することが出来ます。
また、周りに何の壁もない広い野原、響きの良いコンサートホール、学校の教室、お風呂場など、その人が居る場所も、目を閉じていても音を聴くだけで何となく分かります。
音はただの空気の震えなのに、その震えから人間はその音の意味を抜き出すことが出来ます。これはたわいもないことのように思えますが、恐るべき能力なのです。残念ながら現在の技術では、マイクで拾った音が何かをコンピュータで解析しても人間以上に当てることが出来ません。人間の音の処理能力はそれほどすごいのだということはもっと知られても良いと思います。

音は目に見えません。
それが、音の実態を分かりづらくしている原因だとも思えます。音を扱う技術者(場合によっては音楽家)は、ある場所の空気の震えを「波形」として視覚化し、データとして扱います。波形とは例えば図のようなものです。


上の図の、横軸は時間、縦軸は空気が震えた大きさ(振幅)を表しています。

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