2008年2月12日火曜日

歓喜の歌

噂の合唱映画です。
とはいえ、主役はどうも音楽や合唱ではなくて、どちらかというと典型的な市井の人々の人情物語ともいうべき映画。
原作は落語なんだそうです。確かにこの映画を貫いている価値観は落語のそれ、なのだと思います。笑いあり、涙あり、最後はみんながそれぞれに幸せになって終わるという、まあ最初からストーリーはわかりきってはいるものの、やはり日本人としてはこういう話が安心して観られます。

もともとこの話のテーマは、いわゆるお役所仕事、と言われるような融通の利かない、公務員の仕事を皮肉ったもの。市民ホールに勤める小林薫扮する主人公のテキトーな仕事ぶりが、かなり笑えます。外国人ホステスにお金をつぎ込んで問題を起こし、左遷されたという設定など、なかなかブラックな時事ネタ。
それにしても、時間だからといって、カラオケしているオジサンたちの機材の電源をバチッと切ってしまう、ってのはなかなかすごいですね。そんなことしたら、すごい雰囲気悪くなりそう。
ちなみに、私たちが使っている公民館は、最近、業者に委託されるようになって、逆に融通が利かなくなってしまっているような気がするのだけど。

まあそんな映画なので、音楽の内容に突っ込むのは野暮です。
ママさんコーラス(女声合唱)が第九を演奏会でやるのも、まあ驚きですが、ソロを歌う人がとても上手いとか(あれだけ上手いのに、謙遜していると逆にやな感じ)、第九のドイツ語が妙に訓練されていたりとか、いや全般的には普通のママさんにしては演奏が立派過ぎるのがややリアリティがないなと、思ったりしました。
映画だからしょうがないけど、演奏会に来てくれたお客さんがみんな歌に感動して喜んで帰ったりしている辺り、なんか現実が見えてないような気がして・・・、いやここで言うのが野暮なのはわかってますけど。

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