本来、政治ネタを書くような場所ではありませんが、たまには備忘録も兼ねて、政治のことなど書いてみようかな・・・。
昨日、郵政法案が参院で否決され、小泉首相は衆院解散に踏み切りました。
私はこの場で法案の中身について意見を言うつもりは毛頭ありません。興味があるのは、ある意見を通そうとするのに、政治家各人がどのような行動を取ったかということです。これは、ひいては我々が会社や様々な集団の中でどのような政治的活動を行うのか、あるいはどう行うべきなのか、考えるのによいきっかけになると思うのです。
もっと言えば、欧米と日本の政治風土の差、のようなものを私たちが考える良い機会とも思います。
欧米では大統領や首相の在任期間が長いし、権力も集中していて、やりたいことが十分やれるし、そのため改革もドラスティックで、その分、反対派の行動も過激です。アメリカだって、政権が民主党から共和党に変わっただけで、戦争をバンバンやっちゃう国に大変化してしまうわけです。
それに比べると、日本の政治は複雑で難しい。どんな議論だって完全に意見が一致することなどあり得ないのに、それでも集団の維持を最優先にしようとする力学が強い。だから、意見を曲げても賛成、反対することもあるし、そういった恩を売る行為によって、意見が違うものたちが持ちつ持たれつの微妙な関係を続けるのです。
こういった曖昧な関係に敢然と立ち向かったのが小泉首相でした。
それだけのことをやれる人格自体尊敬に値するのですが、こういった日本的な政治風土の中で、欧米的な政治行動を貫いたのはまさに変人といわれる所以です。いや、欧米にいたらそれが普通なのだけど、日本では変人になっちゃうんですね。
それでも、日本で生きていくためには、「変人」であり続けるわけにはいかないんです。それは、誰もが経験していることだと思います。人の意見をよく聞き、適宜そういった反対者の意見を取り入れながら、肝心なところは引かない、といった強さ、そしていったん自分の意見がマイノリティだと分かったとき、強い主張はせずに、小さな要求だけでも反映させてもらう粘り強さ、そういった政治態度が実際私たち(日本人)の生活では求められているように思います。
たまに上のような議論を収拾しようとする流れから外れるような人がいますが、そういう人は煙たがれてしまうんですね。みんなの意見をうまくまとめられる人物こそ、一般的には高度に政治能力のある人間なのです。
私たちが政治的にどう成熟していくのか、なかなかこれは難しい問題です。しかし、少なくとも、国民一人一人が選挙に行って意思表示をするという習慣を持つことが、その最低ラインの必要条件だと思えます。それは自己主張をしない日和見的な態度から脱する第一歩にもなるからです。
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