今回は第40位から第31位まで。
40位:Nothing but THE REAL GROUP
スウェーデンのアカペラグループ・リアルグループの1989年のアルバム。私自身はリアルグループをそれほど熱心に追っかけているわけじゃないけれど、近年のアルバムはやや電子処理が多用されていて、アカペラのスゴさより聞きやすさを追求している感じ。この1989年のアルバムは、(もちろん多少の録音処理はされているとはいえ)素朴な録音で、その分リアルグループの歌唱力の素晴らしさがひしひしと伝わってくる。
39位:大天使のように/ヤプーズ
ヤプーズとは、主に90年代に活動していた戸川純ボーカルのロックバンド。戸川純の表現は一見キワモノではあるけれど、個人的には好きだった。この曲は戸川純が本質的に持つメランコリイとサウンドがよくマッチした泣ける曲。
38位:ミサ/F・マルタン
無伴奏の二重合唱で、div.が多く声部が多いため、実はまだ一度も歌う機会に恵まれていないのだけど、緊密でポリフォニックな書法と、メロディの美しさで多くの合唱マニアの間で愛されている曲。いつか、何とかして取り上げてみたいものです・・・
37位:やさしい魚/新実徳英
やや個人的な想い出のためランクイン。「やさしい魚」が表現するメタファが、自分に重なる感じがしてひりひり痛かった。
36位:マリニャンの戦い/C・ジャヌカン
同じく個人的な思い出が強い曲。10年前にKOVOXに出演するために暗譜に挑戦したけれど、繰り返しの多さにかなり苦労。直前のリハでベースが落ち、顔面蒼白に。でも何と最終的に総合2位を頂いた。当時、KingsSingersの爆発的な演奏をお手本に練習した。これほど、合唱団のクリエイティヴィティを問われる曲もなかなかないだろう。
35位:Another Mind/上原ひろみ
ジャズピアニスト上原ひろみのデビューアルバム。そしてアルバムタイトルは終曲から取られたもの。アルバム冒頭の変拍子を試聴コーナーで聞いて以来、上原ひろみのファンを続けている。終曲アナザーマインドは本当に美しい。こんなピアノ伴奏を書けたらいいのに。
34位:ピアノ協奏曲3番/プロコフィエフ
第一主題の気持ち良さが、多くの人を惹き付ける佳曲。プロコ独特の断層のある旋律と、古典的な形式がうまくブレンドされ、聞きやすい現代性を実現する。第二楽章の変奏曲形式は、個人的にアナリーゼをしてみたこともあって愛着がある。
33位:海/ドビュッシー
ドビュッシーの管弦楽曲。昔とても良く聞いた。なぜか浮世絵の海の絵が浮かぶ・・・と思ったら、レコードのジャケットがそうだったのを思い出した。夏のキラキラした海ではなくて、曇り空にちょっと湿り気のある生暖かい風が吹いているような情景。
32位:嫁ぐ娘に/三善晃
「地球へのバラード」同様、邦人無伴奏合唱曲の名作。詩の世界観と音楽が不可分であり、和声の甘さと緊迫した旋律とのせめぎ合いによるその音楽は、いまなお独自の地位を保っていると思う。
31位:マタイ受難曲/J・S・バッハ
言わずと知れたバッハ畢生の大作。あまりにメジャーな曲であるが故に、歌えただけで満足的なアマチュア演奏会も多いし、野心的なキワモノ演奏も多い。そういう玉石混淆さがまた魅力とも言える。音楽史を俯瞰するためにも、この音楽を勉強しておく意味はあると思う。
お久しぶりです。
返信削除私も38位のマルタンのダブルコーラスが大好きです。
実は、今年の定演曲候補にも挙がっていたんですよね…
結局、同じダブルコーラスで、ヴィクトリアのミサ曲になりましたが。
超難しいと思いますよ。
返信削除人数だけではなかなか解決しない難しさです。各パートに相当歌える人を配備しておかないと。
でも1曲だけでいいから、やりたいですよね。
私の楽譜、一度も歌ってないのに、もう茶色くなってる・・・