共鳴があれば音は大きくなります。
だから、多くの人は音楽には共鳴があればいいと考えていると思います。
じゃあ、その共鳴って何?と問われると、豊かに響いている状態とか、音が満たされている状態とか、やや情緒的な答えが返ってきたりします。しかし共鳴とか、共振とかいう現象は、物理的にはもっと明確なものなのです。
身の回りで共鳴を感じやすいのは、お風呂場。お風呂場で低い音から少しずつピッチを上げて「あー」と声を出してみてください。ときどき、特定のピッチのときに音が大きくなることがあることに気付きませんか?
お風呂場はたいてい密閉度の高い空間なので、音が良く反射します。このような場で音を出すと、ちょうどお風呂場の寸法と音の速さが割りきれるような周波数で音が共鳴するのです。
中で共鳴している状態で生まれている音の波形のことを定在波と呼びます。管楽器では、この定在波を作って音を出しています。こういった音の実験は高校の物理の定番ですね。
ここでポイントなのは、閉ざされた空間という点。
音がある閉ざされた空間内に入ると、共鳴を起こしやすくなります。ギターやバイオリンが本体内に空洞を持っているのはまさに共鳴を起こすためです。もちろん、音楽ホールも同様の効果があります。
もう少し小さな例ならば、人間の口や鼻の中の空間。単なる声帯の震えが、口の中の空間を経ることで、人の声らしい音色に変わるような共鳴を起こします。
共鳴は空間ばかりではありません。
モノ(固体)も特定の周波数で震えやすくなったりします。この周波数のことを固有振動数と呼びます。そのモノの固有振動数と同じ周波数の音を与えると、そのモノは自分も震え始めます。
これも理科の実験の定番ですが、二つの同じ音叉を用意し、片方を叩くと、もう一つも共鳴して震え始める、というのがありましたよね。
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