オカルトには、それが生まれる背景というのがある気がします。
オーディオの場合、70年代、80年代頃のオーディオに活気があった時代というのが、そのバックボーンではないかと思います。当時はまだデジタルではなく、新製品が出るたびに音質が確実に向上するような時代でした。
高級でバラツキのないコンデンサやコイルが使われれば歪みが減って、SNも良くなり、音も良くなります。レコードプレーヤも、モーターがしっかりしていてターンテーブルが重ければ回転もムラがなくなります。
そんな中で、あらゆるパーツを高品質にし、最上のオーディオ再現空間を作る、ということがオーディオマニアの喜びでありました。お金持ちにとっては、最高の贅沢な趣味であったと思います。
恐らく、そんな高音質オーディオの楽しみをリアルタイムで体験したのは、私よりちょっと上の40代後半から60代くらいの世代。フジの特ダネの某キャスターとか、専用のオーディオルームを持ってることをよく自慢してますね。
今でもオーディオ評論家はこの世代が中心で、逆に私より下の世代で高音質追求型のオーディオ評論家というのはほとんど聞いたことがありません。はっきり言って、今の若い人にとっては、音質が良いということにそこまで拘る心意気のようなものが理解できないのではないでしょうか。
デジタルの時代になって、アナログに変換される直前までは理論的に音質劣化が無くなる時代になっても、まだ当時の体験が身体に染みついている世代には、飽くなき音質追求には終わりが無いと感じているに違いありません。
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