2009年10月2日金曜日

オカルトが生まれる背景ー進化論

今年はダーウィン生誕200年、「種の起源」発表から150年というダーウィンイヤーだというのはご存じでしょうか。
それに合わせたのか、ダーウィンの生涯を描いた「クリエーション」という映画が作られたのですが、これがアメリカでは上映されないことになったのが話題になっています。

知っている人もいるかと思いますが、アメリカでは未だに進化論を信じない人が国民の半分ほどいるのです。恐らく、アメリカのキリスト教徒は世界の中でもかなり保守的で、未だにキリスト教原理主義的な考えが根強く残っています。
そもそもダーウィンが「進化論」を発表するのをためらっていたのは、その内容がキリスト教の教えを否定しかねず、いわば現代のガリレオになることを恐れていたためです。
しかし、150年たった今でさえ、アメリカでは神が人間を創造したと聖書に書いてあるが故に、進化論を信じない人がいるのです。
そのためか、アメリカの多くの学校で進化論は教えられてはいませんし、教えられても学説の一つとして扱われている程度なのだそうです。映画配給会社もそのような状況の中で、上映はしないほうがよいと判断したのでしょう。

宗教が絡むのでやや繊細な話題ですが、これ、かなりのオカルトだと思いませんか。
そもそもオカルトが生まれる背景には、キリスト教という非常に明確な理由があります。例えば、仏教徒が全く同じ理由で進化論を否定しない限り、彼らの主張は科学的に、あるいは論理的にどうみたっておかしいのです。
もちろん、進化論自体、私たちが日々体験する自然現象からは想像しづらい理論ではあるのですが、今や生物科学の最前線でこれを否定することは不可能なくらい常識になっていると私は思っています。

先日初演した拙作「生命の進化の物語」も、生命の進化の不思議さ、面白さをテキストとして扱った合唱曲です。ちょっと宣伝になりますが、近いうちにこの楽譜を出版する予定ですので、是非お買い求め頂ければと思います。
しかし、この楽譜もアメリカでは発禁処分になってしまうのでしょうか。(どう見ても余計な心配^^;)

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