2012年2月18日土曜日
オープンとクローズのせめぎ合い
ITの世界ではオープンか否か、というところが多くの人が議論するポイントになっていると思います。
ビジネスの世界だけではなく、個人の活動であっても、オープンかクローズかは重要な問題です。
我々は、毎日の多くの活動にPCを使うようになりました。例えば、友人との連絡や、ショッピング、旅行の計画、ニュースの閲覧・・・こういったことは、webを使って簡単に出来ます。webでなければ、WordやExcelでいろいろな資料を作ったり、写真や動画を管理したり、音楽を管理したりしています。
こういった活動は、全て個人のプライベートな活動ではあるものの、今のIT技術を使えば、今自分がやっていることがwebを介して外に出てしまうことはあり得ます。
それは考えてみれば、恐ろしく気持ち悪いことです。
PCを使っているあらゆる作業が、世の中に漏れる可能性があるわけです。中にはちょっと恥ずかしいこともあったり、特定の他人には見せたくないものもあるでしょう。様々な情報を自由に得ることが出来るようになった結果、自分が行なっている行為もそういった情報の一つになってしまう可能性を持っているわけです。
逆にそれを利用しているのが、FacebookといったSNSの世界です。
例えば5年前の今頃何していたっけ、とか思ったときに、当時の自分がやったことは簡単に分かるようになります。ライフログというようなアイデアです。
もちろん、PCの無かった時代、我々は記憶だけで人生を乗り切っていたわけですから、便利になるとはいえそれが必要なものなのかは微妙な問題。
しかし、自分のために情報を取っておくのではなく、人に知らせたいという欲求も少なからずあります。
というのも、これからの世の中、個人と個人が直接結びつくような組織に縛られない活動がだんだん拡がっていきます。こういった世界では、自分自身がどのような人間か、ある程度公表しておく必要が出てきます。自分の趣味や嗜好、性格など、そういったものが外に対して明確になっているほうが、これからの自分の活動にとってプラスになっていきます。
あまりにクローズドにしたり、そもそもweb世界に何も発信していなければ、この世界での存在感が薄くなり、自分自身の活動の幅も広がっていきません。極端な言い方をすれば、発信しなければ世界にいないことと同じです。
つまり、自分がSNSなどで積極的に情報を発信すればするほど、自分の存在が大きくなっていきます。そういう世の中に我々が移行しつつあるのです。
今自分の情報が知られて怖いと思う人は、恐らく自分の情報をあまり発信していない人だと思います。
まだwebの世界が世の中の全ての活動に占める割合は、絶対的に多くはありません。しかし、その割合が多くなればなるほど、web世界で発信する人が有利になります。オープンを恐れて発信しない人は、世の中の活動に取り残される危険性が出てきます。
そんな時代には、どこまで自分の情報をオープンにすべきなのか、そして何を守らなくてはいけないのか、そういうことを個人が常に考えなければならない、難しい世の中になってきました。
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