衆議院選挙が始まりましたね。
まあ、ほとんどの人が各党の政策の談義をしていると思うので、敢えて違う視点で語ってみましょう。
今回の選挙の面白さは、政権が変わるかもしれないという、まさにその点にあると思うのです。
今まで、ほとんどの場合、有権者の出来ることは知れていました。政権党はずっと同じだったし、派閥の争いは、私たちにとって客席からリング上の戦いを観ているようなものでした。目の前の争いを他人事のように観戦しているだけで、自らが選択する主体になるという意識はあまりなかったと思います。
政権交代が起こりうる海外の先進国の様子などを見ると、一人一人が実にはっきりと意見を言い合い、主張します。時には興奮のあまり手が出てしまうこともあるし、コミュニティを分断してしまうことさえあります。
私たちはそういう状況を密かに羨ましく思いながらも、はっきりした意見を持たずに、長いものに巻かれていたほうが、少なくとも表面的には平和に生きていくことができると感じています。
狭い日本でそれなりに一つの国家が長い間継続するには、そういう国民のメンタリティがどうしても必要だったのかもしれません。「空気を読む」とは、まさに言い得て妙。場を読み、全体の情勢を見ながら、自らの意見を決めていくという行動が私たちにとって重要だったのだと思います。
その縮図が国会であり、政治家の世界でした。私たちは彼らを見て、自らの属するコミュニティで同じような行動を取っていたのではないでしょうか。
しかし、今回の選挙は、そんな日本をほんの少しだけ変えるきっかけになるような気がするのです。
各自が支持する政党を応援し、そのために行動を起こす。まだまだ、その波は大きくはないけれど、政権が二回、三回と交代するたびに、私たちは自らの意見を持たざるを得なくなるのではないでしょうか。
政治家が討論の場で理想を叫び合うことによって、私たちの意識が少しずつ変わり、私たちも日常生活で理想を語り合うようになっていく、そんな風に世の中が変わっていくと日本の未来も明るい気がするのですけど。
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