2009年5月17日日曜日

アマチュア化するアーティスト

もはや音楽業界の凋落ぶりは明白なものとなり、有名アーティストでさえもCDを売ることが難しい時代になってきました。
そもそも、音楽業界、レコード業界などと言われるものは、エジソンがレコードを発明したときに生まれたものであって、その歴史はたかだか100年程度。音楽はそれ以前からあったわけだから、レコードなんか無くても音楽活動は十分成り立つはずです。

私の予想では、10年くらいのうちに現在の音楽業界には相当の変化が訪れるのではという気がしています。そういえばこんなことを書いてみたのはもう6年前ですが、今でもいずれデジタルコンテンツはタダになると私は思っています。
そうなると、もはやCDのようなパッケージを売ることは商売になり得ず、ライブや広告収入、映画・テレビの挿入歌の提供のような形でアーティストが収入を得るようになっていくのではないでしょうか。

レコードがビジネスにならないとすると、レコードデビューがメジャーアーティストであることの証である今の感覚も変わってくることになります。
結果的にプロとアマチュアの境目も変わってくると思います。というか、今後アマチュア的なスタンスのアーティストが増えてくるような気がしています。
文学の世界では、同様に出版業界が非常に厳しく、なぜかそれと比例するように数多の文学賞が現れ、それに信じられないくらい多くの人が応募しているようです。文学賞を受賞して作家になる人のレベルも高くなり、映画化やドラマ化される例も増えています。
しかしそれでもプロの作家で食べられる人はごくわずかで、本業を持ちながら作家活動と言う人も珍しくありません。

同じことが音楽でも起きるのではないかという気がします。
あくまで音楽活動は趣味だけど、ライブでそこそこお客さんを呼べるようなアーティストとか、映画や放送で使われる音楽を提供できる作家とか、そういうことが成り立つかもしれません。
売れる、売れないで評価しない分、そのほうが音楽そのものに対してシビアに評価できる環境に近づいていくのではないでしょうか。
それは、私も望んでいることなのです。

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