2006年2月21日火曜日

文明崩壊/ジャレド・ダイアモンド

collapseジャレド・ダイアモンド著の最新作、またしても買ってしまいました(前作の感想はここ)。今回は、古今東西の文明を例に挙げ、それらの文明がなぜ崩壊したか、あるいはなぜ生き延びたか、を考察するという内容。これまた、非常な分量で、昨年暮れから読み始めたのだけど、途中でペースダウン。そして、ようやく今読み終えたところ。最初のあたり、もう忘れてます。^^;

そんなわけなんで、面白かったトピックの紹介だけ。
イースター島といえばモアイ像。最初にイースター島に西洋人が訪れたとき、わずかな島民しかいなかったのですが、そこにそんな石像があるということでミステリーとして良く語られます。しかし、実際にはイースター島にはそれなりの文明があったのだけど、環境破壊で文明が崩壊したことが紹介されます。
モアイ像は、まさに文明崩壊の断末魔の叫びみたいなもの。像は、宗教的な意味合いもあったのだけど、部族の勢いの象徴でもあったようなのです。そして、資源が枯渇する→人々の争いが激化、という過程で、それぞれの部族が逆に争うようにモアイ像を作ったり、破壊したりしたそうです。文明が崩壊した後、その像だけが残されたというわけ。
その他、グリーンランドでイヌイットと争い敗れたノルウェー人の文明。そして、古代史から忽然と姿を消したマヤ文明。それらも、文明を存続するのに必要な資源を人々がコントロールすることが出来なかったことが語られます。

現在でも、ルワンダ、ハイチ、中国、オーストラリアでどのような問題が起きているか、が紹介されます。オーストラリアもかなりやばい状態なんだということを初めて知りました。

要は、我々は環境問題をクリアしなければ、今後生き抜くことは難しい、ということを作者は言っています。
古代文明が崩壊するのは、閉ざされた環境で環境破壊が起こるからですが、今の時代グローバル化が進んでおり、世界規模で人の行き来もあります。そういう意味では、地球自体がその閉ざされた環境であるとも言えるのです。つまり、地球に住む我々が今の環境破壊を止めないと、地球文明が崩壊し、全員が死に絶えてしまうわけです。
内容はかなり科学的であり、信憑性は高いものと思われます。なるほど、これは大変な状況なのです。

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