カール・ジェンキンスは元々プログレの残党で、曲のあちらこちらにプログレの片鱗が見えてなかなか面白いのだけど、それにもまして私が興味を感じるのは、この人、かなり合唱音楽に近いんじゃないかと思えること。アディエマスの曲の中にも、かなり合唱っぽい曲があるし。
それで、このCDを聞いて、始めに思わずぶっ飛んでしまいました。最初の曲 "The Armed Man" とありますが、これ五百年前のフランスの俗謡「ロムアルメ」なんです。この曲、つい先日のコンサートで歌ったばかり(というか私はぎっくり腰でパスしたステージだったのだけど^^;)。このメロディが、派手なオーケストレーションで繰り返され、壮大な曲に変わってました。さらに驚いたのが、3曲目の「Kyrie」では(このCD全体がミサ曲っぽくなっている)、何とパレストリーナのミサ・ロムアルメから「Christe eleison」が丸々引用されていたのでした。自分の活動とリンクしていて、何か思わず運命的な感じさえしてしまいました。
全体的には、いささか音楽的に統一が取れていない感じはありましたが、合唱とオーケストラを使い、アディエマス的な気持ち良さも兼ね備えたなかなか面白いアルバムでした。