先日、ヴォア・ヴェールの練習で、英会話の先生に英語の発音をみてもらう機会がありました。
よく合唱している人の間では、英語の歌の発音は難しいなんて言われますが、そうはいっても(しゃべれないにしても)学校教育で英語を習ってきた優位は揺るがないと私は思っています。
もちろん、イタリア語のように、ほとんど発音のことは気にすることがないくらいの言語もありますが(イタリア語の曲の場合、マドリガーレであることが多く、発音よりアクセントのような語感に気を使いますね)、それでも英語の取っ掛かりは悪くないはずです。
しかし、逆に英語が世に溢れているからこそ、本来の発音に近づけないという状況ももちろん存在するわけです。
世にあまりに多いカタカナ英語のため、ネイティヴから見ると英語っぽくない発音が蔓延しています。それをそのまま歌を歌うときにやってしまうのです。
今回、先生に最も何度も指摘された発音は「th」の子音の発音です。
これはご存知の通り、上下の歯で舌を挟み、後ろに舌を抜いていくときの子音なのですが、当然こんな子音は日本語にはないので、私たちは、「ザ、ディ、ゾ」などのカタカナでこの発音を発想してしまいます。現実に、カタカナ化された英語も世の中に溢れかえっています。
特に良くないのは「the」が「ザ」になること。
あまりに日本人の中でこの慣習が根付いてしまっているので、「ザ」という発音の束縛からなかなか逃れることができません。私は以前より、「ザ」っていうくらいなら「ダ」のほうが近い、と言ってきましたが、計らずも先生からは相当注意されました。
特に、「z」の子音と近接するときに、区別がつかなくなって、ネイティヴ的にはかなり気になるようです。
例えば、「Now is the month of Maying」という歌詞の、「is the」の部分。カタカナ的に「イズザ」になり、子音が結合してしまって「イザ」ぐらいに歌ってしまいます。しかし、「z」と「th」の発音は明らかに違うわけで、「イズ」と歌った後に、すぐに舌を前に出して「th」の発音に移行する必要があります。
もちろん、「r」と「l」の違いも指摘されました。これは、英会話の先生ならお決まりの指摘なのかもしれません。
日本人が歌の中で普通に「ラリルレロ」といえば、大体「l」の発音に近くなるわけですが、「r」っぽく発音するためには、カタカナで言えば「ゥ」(小さいウ)が付くような感じがしました。ただ、これは実際の歌の中ではちょっと難しいです。先生に言われたわけではないですが、語頭であれば少し巻いてしまうという手もあると思います。まあ、意見は分かれるところですけど。
それから「f」と「h」。何気なく歌っていると、気が付くと「f」が「h」になってしまっているわけです。
ただ私見では、日本人でも「f」の発音は比較的浸透していて、下唇を噛みながら、という発音は日本語になくても、割と出来るような気がしています。ですから、実は逆のパターンで「h」を「f」にしてしまう、という間違いも見逃せません。無意識のうちに、英語っぽくやろうとしてしまうのですね。
さて母音ですが、私たちが心配していたほど母音の問題はありませんでした。むしろ、問題あるとしたら発声のほうかもしれません。
ただし、一つだけ注意されたことがあります。短母音の「i」は、日本人の感覚だと、「イ」と「エ」の中間くらいになったほうが英語っぽくなります。
「this」「still」「bitter」など、あまりに日本的な「イ」だと英語っぽく感じられません。少し「エ」を混ぜると、ちょっと英語っぽい発音になるようです。
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